「Pacemaker」はクラスタ上で動作する各種リソース(サービス、IPアドレス、データアクセスなど)の配置を調整して最適化するリソース制御機能を提供します。
しかし、Pacemakerはリソース制御機能しか持たないため、HAクラスタを構築するためには、「ノード管理機能」や「ノード間通信機能」などのクラスタ基盤となる「クラスタ制御機能」を提供するソフトウェアと組み合わせて利用する必要があります。
Pacemakerと組み合わせて利用するクラスタ制御ソフトウェアとしては「Corosync」の使用が推奨されています。
Corosyncとは、高可用性クラスタ構成の中でクラスタ通信層制御を担当するオープンソースクラスタ基盤ソフトです。
クラスタ通信フレームワークを提供し、クラスタ構成サーバ間でノードの死活監視を行います。
→OSSxCloudNews →オープンソースのクラスタリング/Corosyncとは
クローズドプロセスグループ通信モデルによる仮想同期機能を提供します。
障害発生時にアプリケーションプロセスを再起動するシンプルなアベイラビリティマネージャ機能を提供します。
クォーラム(quorum)とは、「分散トランザクションが処理を実行するために必要な定足数」を意味し、分散システムにおいて処理の整合性をとるために実装されるものです。
リソース制御機能「Pacemaker」とクラスタ制御機能「Corosync」を組み合わせることで、商用製品に匹敵するHAクラスタ構成を実現できます。
Corosyncによりクラスタに参加しているノードの識別と通信を行い、Pacemakerにより障害の検知や回復などの制御を行います。
Corosyncが提供するメッセージング機能とメンバーシップ機能を利用して、ノードレベルおよびリソースレベルの障害を検出して回復することで、クラスタサービスの最大の可用性を実現します。
Pacemakerは、冗長化構成を組んでいるシステムにおいて、本番稼動しているサーバで故障が発生しサービスが継続できなくなった際に、フェイルオーバー(待機系マシンへの自動切替え)を行い、サービス停止時間を可能な限り短縮します。
■はじめに Linux-HA Japanをご覧の皆さんこんにちは。Linux-HA Japanの中の人、ひがしと申しますm(_ _)m 「動かして理解するPacemaker ~CRM設定編~ その2」ということで、前回の「その1」の続きです。 早速、前回記事に引き続き、CRM設定ファイルを解読していきましょう。   前回は、例の設定ファイルが制御している以下7項目のうち、上から2項目のから...
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