オープンソース活用研究所 | Oracle JDKの有償化①---「Javaリリースモデル変更」と「Oracle JDKの有償化」

Oracle JDKの有償化①---「Javaリリースモデル変更」と「Oracle JDKの有償化」

オープンソース活用研究所

2018年03月08日
オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

「Oracle JDKの有償化」の状況について2回に分けて紹介します。

第1回目として「Javaリリースモデル変更」と「Oracle JDKの有償化」について紹介します。

※紹介する内容は2018年2月時点の​情報です。

「Oracle JDK」とは

■概要

「Oracle JDK」とは、Oracle社が提供しているJava用ソフトウェア開発キットです。主要コンポーネントとして多くのプログラミングツールが含まれています。

Java開発ツールキットとして世界中で多くのユーザーが利用しています。

■「OpenJDK」ベース

「OpenJDK」とは

「OpenJDK(Open Java Development Kit)」は、Java開発環境のオープンソース実装です。

→OpenJDK

「Oracle JDK(商用版)」=「OpenJDK」に

Oracle社は、「Oracle JDK(有償版)」で提供していた機能をオープンソース化してOpenJDKプロジェクトに寄贈し、「OpenJDK」にも含めるように作業を進めています。

Java 11がリリースされる予定の2018年9月にこの作業を完了し、「Oracle JDK(有償版)」と「OpenJDK」は、機能および品質の両面において同じものになる予定です。

Javaリリースモデル変更

■概要

Javaのリリースモデルが「機能ベースのリリースモデル」から「タイムベースのリリースモデル」に変更されることになりました。

Java 9以後は、「毎年3月と9月」の年2回のタイムベースサイクルで、メジャーバージョンアップが実施される予定です。

■メジャーバージョンリリース予定

・2017年9月 「Java 9」リリース
・2018年3月 「Java 10」リリース予定
・2018年9月 「Java 11」リリース予定
※以降6ヶ月ごとにメジャーバージョンリリース

■マイナーバージョンリリース予定

マイナーバージョンは、年4回(1月、4月、7月、10月)のペースでリリースされる予定です。

バージョンアップの基本ポリシーは次のように定められています。
・メジャーバージョンアップ=機能の追加変更など
・マイナーバージョンアップ=バグフィクスやセキュリティ対応変更のみ

■メジャーバージョンリリースサイクル高速化の理由

Javaは、これまで「機能ベースのリリースモデル」を採用し、大きな機能追加に合わせてメジャーバージョンアップを行ってきました。

しかし、新機能開発には長い時間を要し、開発スケジュール遅延なども発生していました。
・「Java 6」から「Java 7」 4年8カ月
・「Java 7」から「Java 8」 2年8カ月
・「Java 8」から「Java 9」 3年6カ月

安定を重視するエンタープライズシステム開発においては、頻繁に機能が変化しない点は好まれていましたが、他の開発言語と比較した場合、先進的な面で遅れてしまっているという指摘が増えてきていました。

Javaは、従来の「機能ベースのリリースモデル」を改め「タイムベースのリリースモデル」に移行することで、より速いペースで先進的な機能を取り込み、前進させようとしています。

「Oracle JDK(LTS版)」は有償提供に

■概要

Javaのリリースモデルが変更される一方で、Oracle社は「Oracle JDK」の長期サポート版(LTS:Long Term Support)の有償化を発表しました。

■長期サポートにはOracle社との契約が必須に

『Oracle JDKの長期サポート提供は、Oracle社と商用サポート契約を結んでいる顧客に対してのみ提供される』とされています。この新しいモデルはJava 9以降に適用されるとされています。

つまり『Oracle JDK(LTS版)を入手し、Oracle社の長期サポートを受けるためには、Oracle社との契約が必須になる』ことを意味しています。

これは「Oracle JDK」を利用してエンタープライズシステムなどを開発してきた企業などには、非常に大きな影響が発生することになります。

 

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→Oracle JDKの有償化②---Oracle JDK有償化に伴うサポート内容変更


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著者プロフィール

オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

1993年、株式会社野村総合研究所(NRI)入社。 インフラ系エンジニア、ITアーキテクトとして、証券会社基幹系システム、証券オンライントレードシステム、損保代理店システム、大手流通業基幹系システムなど、大規模システムのアーキテクチャ設計、基盤構築に従事。 2003年、NRI社内に、オープンソースの専門組織の設立を企画、10月に日本初となるオープンソース・ソリューションセンター設立。 2006年、社内ベンチャー制度にて、オープンソース・ワンストップサービス 「OpenStandia(オープンスタンディア)」事業を開始。オープンソースを活用した、企業情報ポータル、情報分析、シングルサインオン、統合ID管理、ドキュメント管理、統合業務システム(ERP)などの事業を次々と展開。 オープンソースビジネス推進協議会(OBCI),OpenAMコンソーシアムなどの業界団体も設立。同会の理事、会長や、NPO法人日本ADempiereの理事などを歴任。 2013年、NRIを退社し、株式会社オープンソース活用研究所を設立。

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