オープンソース活用研究所 | 「AWS」vs「Azure」比較---どちらを選択すべきなのか?

「AWS」vs「Azure」比較---どちらを選択すべきなのか?

オープンソース活用研究所

2018年08月05日
オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

主要クラウドサービス「AWS」と「Azure」について比較できる主なポイントについて紹介します。

長年の実績により圧倒的なシェアを誇る「AWS」に対して、「Azure」がシェアを伸ばしてきています。

さまざまな観点から、この2つのクラウドサービスの違いについて紹介します。

「AWS」と「Azure」の比較

機能比較

AWS[○] vs Azure[○]

「AWS」と「Azure」は、各機能カテゴリにおいて、それぞれよく似た機能を提供しています。

  • コンピューティング
  • ストレージ
  • ネットワーク
  • データベース
  • PaaS
  • データ分析
  • IoT
  • コンテンツ管理

Linux対応

AWS[○] vs Azure[○]

どちらも、主要Linuxディストリビューションを利用できます。

仮想マシン起動速度

AWS[○] vs Azure[△]

仮想マシンを起動する際、起動完了までの時間です。運用面において差が出る部分です。

AWS

1分程度

Azure

2分30秒以上

仮想マシン選択方法

AWS[○] vs Azure[○]

両方共、あらかじめ用意されたマシンタイプ種類から選択します。

「コア数」+「メモリ」+「ディスク」のセットとして用意されています。

操作性

AWS[○] vs Azure[○]

両方とも、日本語コンソールで、各種サービスの設定/構成を行えます。

数あるクラウドの中では、使いやすい操作性になっています。

ドキュメント

AWS[◎] vs Azure[○]

AWS、Azureともに、主要なドキュメントは日本語化されています。

日本語の「書籍」「ネット情報」も蓄積されています。

AWS

AWSは、運用歴が長く、ユーザーが多く、コミュニティ活動も活発であるため、多くのノウハウリソースが公開されています。

「無料オンラインセミナー」「サンプルコード集」「ライブラリ」「記事」「チュートリアル」「討論フォーラム」などから多くの知見を得られます。

Azure

Azureのノウハウリソースも整備されていますが、AWSのノウハウリソース量に比べると、及んでいないといえます。

拡張性

AWS[○] vs Azure[○]

総じてAWS、Azureともに「豊富なリソース」と「高い拡張性」を備えています。

「ロードバランサー」と「オートスケール機能」により、クラウドらしい垂直/水平スケーリングが可能です。

可用性(仮想マシン)

AWS[✕] vs Azure[○]

AWS

AWSでは、仮想マシン用バックアップサービスは提供されていません。

Azure

Azureでは、仮想マシン用バックアップサービス「Azure Backup」と、ディザスタリカバリ(レプリケーション/フェールオーバー)サービス「Azure Site Recovery」を提供しています。

可用性(データベース)

AWS[○] vs Azure[○]

AWS、Azureともに、RDBマネージドサービスでは、別データセンターに配備したレプリカへのフェールオーバーが可能です。

自動化容易性

AWS[◎] vs Azure[○]

AWS、Azureともに、各種サービスのAPIコントロールが可能です。

AWS

管理タスク自動化支援サービス「AWS CloudFormation」サービスを利用できます。

APIが充実しているため、運用管理を自動化しやすいメリットがあります。

Azure

管理タスク自動化支援サービス「Automation」が提供されています。

セキュリティ

AWS[○] vs Azure[○]

AWS、Azureともに、「ISO27001」「HIPPA」「FedRAMP」「FISMA」「PCIDSS」「FIPS 140-2」などの各種規制基準に対応しています。

SLA

AWS[○] vs Azure[◎]

AWS、Azureともに、高いSLAを提供しています。

  • SLA(仮想マシン)=「99.95%」
  • SLA(オブジェクトストレージ)=「99.9%」
  • SLA(RDBマネージドサービス)=「AWS 99.95%」「Azure 99.99%」
Azure

PaaS「App Service」「Machine Learning」においても「99.95%」のSLAを規定するなど、より多くのサービスにおいてSLAを規定しています。

コンプライアンス対応

AWS[○] vs Azure[◎]

AWSとAzureの比較では、50のコンプライアンスプランを備えているAzureのほうが、より包括的にコンプライアンスに対応しています。

Azure
  • 「米国政府機関向けの最も信頼できるクラウド」として評価されている
  • 18のAzureサービスが「FedRAMP High」認定を受けている
  • 「Azure IP Advantage」により業界最高クラスの知的財産保護機能が提供される

準拠法/裁判地

AWS[△] vs Azure[◎]

Azureは、日本の法律と裁判所に対応しているため、日本企業としては安心できるポイントです。

AWS
  • 準拠法=アメリカ合衆国ワシントン州法
  • 管轄裁判所=アメリカ合衆国ワシントン州キング郡に所在する州裁判所または連邦裁判所
Azure
  • 準拠法=日本法(日本の法律)
  • 管轄裁判所=東京地方裁判所

データセンター所在地

AWS[○] vs Azure[○]

AWS

AWSは世界を広範囲にサポートしています。

  • 利用可能地域=42地域
  • グローバル=12リージョン
  • 日本=1リージョン
Azure

Azureもグローバルに展開しています。特に、アジア地域へのサポートも充実しています。

  • 利用可能地域=32地域
  • グローバル=20リージョン
  • 日本=2リージョン

専用線接続

AWS[○] vs Azure[○]

AWS

専用線接続サービス「AWS Direct Connect」が提供されています。

Azure

専用線接続サービス「Azure ExpressRoute」が提供されています。

ディザスタリカバリ

AWS[○] vs Azure[◎]

AWS

AWSは、日本国内には「東京リージョン」しかありません。そのため、ディザスタリカバリには海外リージョンとの組み合わせが必要となります。

Azure

Azureは、「東日本リージョン」と「西日本リージョン」に分かれているため、日本国内においてディザスタリカバリ構成を取ることが可能です。

サービス提供実績

AWS[◎] vs Azure[○]

AWS

AWSは「2006年7月」にサービス開始されました。長年の経験が積み上げられています。

Azure

Azureは「2010年1月」にサービス開始されました。

市場シェア

AWS[◎] vs Azure[△]

AWS

AWSは圧倒的なマーケットシェアリーダーです。

「2位以下の合計の10倍以上もの計算資源が利用されている」と想定されています。

日本国内でも2万社以上の導入実績があります。

利用可能通貨

AWS[△] vs Azure[◎]

AWS

AWSは、リセラーを経由することで日本円での支払いに対応しています。

しかし、料金設定が米ドルベースであるため為替の影響を受けます。

Azure

Azureの料金設定は、日本円ベースです。

為替の影響を受けることはありません。

まとめ

AWSとAzureの比較において、機能面での差はほとんどないため、「どちらかを選択しなければ実現できない」ということはないと考えられます。

AWSは「長年の実績」「膨大なノウハウリソース」「圧倒的シェア」を誇ります。

Azureは、日本企業に寄り添った運営姿勢を見せながら、AWSを追い上げようとしています。

「どちらが自社のポリシーに対して、よりマッチするのか?」という基準も選考のポイントになると思われます。

参考元サイト

※定期的にメンテナンスを実施しておりますが、一部情報が古い場合がございます。ご了承ください。


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著者プロフィール

オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

1993年、株式会社野村総合研究所(NRI)入社。 インフラ系エンジニア、ITアーキテクトとして、証券会社基幹系システム、証券オンライントレードシステム、損保代理店システム、大手流通業基幹系システムなど、大規模システムのアーキテクチャ設計、基盤構築に従事。 2003年、NRI社内に、オープンソースの専門組織の設立を企画、10月に日本初となるオープンソース・ソリューションセンター設立。 2006年、社内ベンチャー制度にて、オープンソース・ワンストップサービス 「OpenStandia(オープンスタンディア)」事業を開始。オープンソースを活用した、企業情報ポータル、情報分析、シングルサインオン、統合ID管理、ドキュメント管理、統合業務システム(ERP)などの事業を次々と展開。 オープンソースビジネス推進協議会(OBCI),OpenAMコンソーシアムなどの業界団体も設立。同会の理事、会長や、NPO法人日本ADempiereの理事などを歴任。 2013年、NRIを退社し、株式会社オープンソース活用研究所を設立。

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