2017年07月11日
オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一
2017年4月5日、渋谷にあるGMOグローバルサイン株式会社において、「【パートナー募集】基本機能無料のSSO/ID管理クラウドサービス『SKUID』との協業で貴社のビジネスを拡大する」と題したセミナーを開催しました。
本セミナーでは、基本機能無料のSSO/ID管理クラウドサービス「SKUID」を紹介するとともに、「SKUID」やパートナーとの協業プランについて、参加者からご意見をいただきました。
本レポートでは、参加者からいただいたご意見を3回にわたりご紹介します。第2回は、SKUIDをID管理のマスターや認証強化に使う方法に関する議論です。
ファシリテーター:SKUIDを活用に関して、他のアイデアはありますか。
参加者F:私は大学で教授をしております。よく他大学の学生がうちの大学に来て、当大学のシステムにアクセスさせる必要があり、その時に都度アカウントを発行する作業が面倒だと感じています。さらに最近は留学生が増え、また市民講座も開講しているので、それらのアカウントをSKUIDで管理できないかと思っています。つまりIDの発行を独自に行わずに、SKUIDでIDを発行して、学内でそれを使うことができたら良いと思います。
ファシリテーター:大学側のサービスをSAMLなどのプロトコルに対応させて、SKUIDをIdPとしてログインするというイメージでしょうか。
参加者F:そうですね。今の時代、学生も既に何かしらのIDは持っていて、もうこれ以上持ちたくないというのが正直なところだと思います。
ファシリテーター:将来、SKUIDでもSaaSを導入する方々に、認証基盤と顧客データベースを貸出すサービスができないかと考えており、今回のような場合にお使いいただけると思います。やはり、そういうニーズがあることが分かりました。ありがとうございます。
ファシリテーター:他の方はいかがでしょうか。アイデアがあれば教えてください。
参加G:私は、製造業で主に農機を作っている会社のIT部門に所属し、PaaSも使い始めています。グローバル社員だけではなく、ビジネスパートナー企業の社員ID管理をどのようにするかという課題があります。これについてSKUIDで何か改善できないかと思い参加しました。
ファシリテーター:ビジネスパートナーのアカウント管理ですね。このような用途ではSKUIDのようなIDaaSが適していると思います。
参加者H:我々は、どちらかというとISVパートナーのような形で連携させていただければと思っています。
ファシリテーター:SKUIDの機能を部分的に利用したいとお考えですか?
参加者H:そうです。SKUIDにはIPアドレス制限など制限をかける機能があると思います。それはまだ私どもでは提供していないので、生体認証を含めた色々なオプションを使えたら良いと思っています。連携することで、色々なニーズに対応できると思います。
ファシリテーター:なるほど。お客様からIP制限やワンタイムパスワードなどの要望はありますか。
参加者H:具体的な話しはまだありませんが、要望はあると思います。今Google Appsを使っていますが、Google Appsは、IPアドレス制限がありません。そのため何か良いものはないか探していました。
ファシリテーター:そうですか。SKUIDはIP制限、FIDO認証や生体認証も対応予定です。クライアント証明書、デバイスIMEIにも対応できると思います。
参加者I:私はパスワードを管理するシステムを開発しております。保険代理店向けのシステムで、そこでは定期的なパスワード変更が必要です。各人がパスワード管理をして自分で登録しないといけません。できれば管理者が登録したパスワードを、各人のアカウントに自動的に登録してくれるような機能があれば良いと思いますが可能でしょうか。
ファシリテーター:もちろんです。対応方法としては、SKUIDの管理者が一斉にパスワードを発行して、保険代理店のシステム側に登録します。それをエンドユーザーには知らせず、エンドユーザーにはSKUIDのID・パスワードだけを使っていただくので、エンドユーザーがパスワード変更する手間が軽減されます。
参加者I:なるほど。
ファシリテーター:私どもはSKUIDを無料でサービス提供しているので、皆さんに気軽に登録していただけたらと思います。その意味で、より気軽に使っていただけるような工夫、改善は継続するつもりです。例えば私もそうですが、自分のIDが20個もあって、SKUID登録するのが面倒なので、簡単に登録できる方法を検討しています。一番簡単なのは、各アプリのログインページでログインするタイミングで、「SKUIDに保存しますか」と聞かれ、「はい」と選択すれば、SKUIDに登録されるという仕組みがあれば、使いやすくなるのではないかと思っています。
いかがでしたか。次回は、「SKUIDと自社サービスとを組み合わせて提供する」についてご紹介します。
SKUIDのサービスサイト
講演資料は、マジセミより無料で取得していただけます。
「基本機能無料のSSO/ID管理クラウドサービス『SKUID』への期待」
第一回目 SKUIDのOEM提供に対する要望や、生体認証への対応
「基本機能無料のSSO/ID管理クラウドサービス『SKUID』との協業で貴社のビジネスを拡大する」
第一回目 基本機能無料のSSO/ID管理クラウドサービス『SKUID』とは
第二回目 認証局ならではの強固なセキュリティを提供する、SSO/ID管理クラウドサービス『SKUID』
第三回目 SSO/ID管理クラウドサービス『SKUID』は、なぜ無料で提供できるのか?
「認証・ID管理の課題と、今後「SKUID」に求められる機能」
第一回目 人事異動への対応やSAML認証への対応
第二回目 SLAや監査への対応
第三回目 利用環境
1993年、株式会社野村総合研究所(NRI)入社。 インフラ系エンジニア、ITアーキテクトとして、証券会社基幹系システム、証券オンライントレードシステム、損保代理店システム、大手流通業基幹系システムなど、大規模システムのアーキテクチャ設計、基盤構築に従事。 2003年、NRI社内に、オープンソースの専門組織の設立を企画、10月に日本初となるオープンソース・ソリューションセンター設立。 2006年、社内ベンチャー制度にて、オープンソース・ワンストップサービス「OpenStandia(オープンスタンディア)」事業を開始。オープンソースを活用した、企業情報ポータル、情報分析、シングルサインオン、統合ID管理、ドキュメント管理、統合業務システム(ERP)などの事業を次々と展開。 オープンソースビジネス推進協議会(OBCI),OpenAMコンソーシアムなどの業界団体も設立。同会の理事、会長や、NPO法人日本ADempiereの理事などを歴任。 2013年、NRIを退社し、株式会社オープンソース活用研究所を設立。
2022年11月11日(金)16:00~17:00 『今、知っておくべきサイバー攻撃の実態 ~一番危険なセキュリティリスクは何なのか?~』 と題したウェビナーが開催されました。 皆様のご参加、誠にありがとうございました。 当日の資料とサマリー動画を以下から無料でご覧いただけます。 ご興味のある企業さま、ぜひご覧ください。
「OSV-Scanner」(OSVスキャナー)とは、Google製「脆弱性スキャナー」です。「プロジェクト依存関係リスト」と「既知脆弱性」を照合するための「OSVデータベースへのフロントエンド」を提供します。パッケージリストに対して詳細チェックを実施することで、パッチ適用の必要性情報を得られます。
FreeRADIUS(フリーラディウス)とは、オープンソースの高機能RADIUSサーバです。「RADIUS」はネットワーク上で「利用者認証」「権限付与」「利用状況記録」などを実施するための認証プロトコルであり、デファクトスタンダードとして広く使用されています。
Google Authenticator(グーグルオーセンティケーター)とは、Googleが開発している2段階認証(2要素認証)用トークンソフトウェアです。「SMSテキストメッセージ」「音声通話」「モバイルアプリ」などを使用して認証コードを送信/生成します。Googleサービスのみではなく、他社サービスの認証にも利用できます。
Vuls(バルス)とは脆弱性スキャンツールです。脆弱性データベースから脆弱性情報を取得して、「Linux(FreeBSD)系OS」「各種ミドルウェア」「各種フレームワーク」などに対する脆弱性存在を検査し、詳細情報をレポーティングします。サーバにインストールされているソフトウェアに対する脆弱性存在チェックに利用できます。
WireGuard(ワイヤーガード)とは、VPN(Virtual Private Network)ソリューションです。「Linuxカーネルツリーにマージ」「シンプル」「使いやすい」「数行のコードで簡単に実装」「ハイパフォーマンス」「学術研究をベースとして実装されている高いセキュリティ」などを特徴としています。
OpenLDAP(オープンエルダップ)とは、ディレクトリサービスを提供するオープンソースLDAPサーバです。サーバ間やシステム間で認証連携を行い、ユーザー情報データベースを統合管理することで、シングルサインオンを実現するための共通基盤となります。ディレクトリ情報の一元管理により、運用管理の作業負荷を大幅に削減し、セキュリティを強化できます。
OpenVAS(オープンバス)とは、セキュリティチェック用脆弱性スキャンツールです。包括的で強力な脆弱性スキャンを行うことで脆弱性管理をサポートします。対象ホストのOSやソフトウェアに既知の脆弱性が含まれているかどうかについて自動でチェックを行い、詳細レポートを作成します。
Metasploit Framework(メタスプロイトフレームワーク)とは、セキュリティ脆弱性テストフレームワークです。コンピュータセキュリティに関するオープンソースプロジェクトで、「情報収集」「脆弱性検出」「ペネトレーションテスト」などを主な守備範囲としています。
ClamAV(クラムエーブイ)とはアンチウイルスエンジンです。さまざまな「ウイルス」「マルウェア」「悪意のある脅威」などを検出します。「ファイルスキャン」「電子メールスキャン」「Webスキャン」などエンドポイントセキュリティを含むさまざまな状況で利用できます。
Snort(スノート)はネットワーク型IDS(不正侵入検知システム)です。ネットワーク上を流れるパケットを解析して、不正パターンに合致するパケットを検知したら警告を発します。「パケットスニファ」や「パケットロガー」としても利用でき、豊富なアウトプットプラグインによる機能拡張が可能です。
OpenAM(オープンエーエム)とは、オープンソースの認証ソリューションです。「認証」「アクセス認可」「フェデレーション」などの高機能を備え、シングルサインオン機能を提供します。商用製品と同等の機能が実装されており、「アクセス制御の統合/強化」「セキュリティ対策」「個人情報漏洩防止強化」などのメリットがあります。
Keycloak(キークローク)とは、WebアプリケーションおよびRESTfulWebサービス用のシングルサインオン機能を提供するアクセス管理ソリューションです。「シングルサインオン認証フレームワーク」+「管理コンソール」でシングルサインオン環境を構築するための一通りの機能を提供します。
Shibboleth(シボレス)とは、シングルサインオン機能を提供するソリューションです。連合アイデンティティソリューションとして世界で広く展開されており、ユーザーを組織内外の両方のアプリケーションに接続します。
OpenVPN(オープンブイピーエヌ)とは、オープンソースのVPN(Virtual Private Network)構築ソフトウェアです。「堅牢なセキュリティと安定性」が特徴です。
WSO2 Identity Server(ダブルエスオーツー アイデンティティ サーバ)とは、シングルサインオンソリューションです。アプリケーション/API/クラウド/モバイル間で統合ID管理を行います。
LibreSSL(リブレ エスエスエル)とは、SSL/TLSプロトコルのオープンソース実装(通信用ソフトウェア)で、「OpenSSL」の派生改良版です。圧倒的シェアを持つが問題が多い「OpenSSL」を代替できるものとして期待されています。
OpenSSH(オープンエスエスエイチ)。ネットワーク経由通信を暗号化する「SSH」のオープンソース実装です。おもにUNIX/Linuxサーバに対するネットワーク経由でのリモートログインに使用します。
OpenSSL(オープンエスエスエル)。オープンソースSSL/TLS暗号化ライブラリです。世界中のWebサイトで圧倒的シェアを持っており、事実上の業界標準となっています。
Apache DS(アパッチディーエス)。オープンソースのLDAP(ディレクトリ)サーバです。「Apache Directory」プロジェクトで開発されています。
389 Directory Server(389ディレクトリサーバ)。オープンソースディレクトリサーバです。「Fedora Directory Server」の後継で、商用製品の流れを受けており、ユーザフレンドリーなGUIツールの充実などが特徴です。
OpenIDM(オープンアイディーエム)。高い柔軟性と拡張性を備え、エンタープライズ/クラウド/モバイル/ソーシャル/レガシーなど多様な環境において、ユーザアカウントのプロビジョニングとライフサイクルの一元管理を実現するID管理製品です。
OpenDJ(オープンディージェー)。OpenAMに内蔵されており、先進的なレプリケーションアーキテクチャや「REST API」を搭載したLDAP準拠の高機能オープンソースディレクトリサーバです。
OSS×Cloud ACCESS RANKING