2017年05月09日
オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一
2017年3月3日、東京都渋谷区で 「基本機能無料のSSO/ID管理クラウドサービス『SKUID』との協業で貴社のビジネスを拡大する」と題したセミナーが開催されました。
「SKUID」(スクイド)とは、GMOグローバルサイン株式会社が2016年年末にリリースしたSSO/ID管理サービスで、基本機能が無料で使えるという大きな特長をもつクラウドサービスです。
同社では、2017年度下半期から「SKUID」の「パートナープログラム」も開始する予定です。本セミナーでは「SKUID」の基本機能、特長を紹介するだけにとどまらず、「SKUID」のビジネスモデルについても話題が広がりました。クラウドサービス、セキュリティベンダー、クラウド商材のシステムインテグレーターなど、各ジャンルの事業者にとって最適なビジネスモデルについての具体的な解説がなされました。
本稿では、セミナーのダイジェストを3回にわたってレポートします。第三回目の今回は、 「SKUID」のビジネスモデルについてご紹介します。
シングルサインオン、アクセスコントロールをはじめID管理における基本機能を無料で提供する、画期的なクラウドサービス「SKUID」のビジネスモデルについてご紹介します。
ビジネスの観点から「SKUID」を見た場合、その特長は次の三点に集約されます。
「SKUID」は、シングルサインオン、アクセスコントロール、ID管理、ログレポートといったID管理に必要な基本サービスが無料で利用できます。その後のバックエンドサービスについては有料で提供しているものもあります。
「SKUID」は、日本企業が提供する日本仕様のサービスです。そもそも日本のユーザーのニーズをもとに開発されたサービスであり、運用後のサポートはもとより、ユーザーの声をサービスに反映させることも迅速に行っています。海外サービスと比べて、運用、連携、サポートのいずれもスピードが違います。
「SKUID」は、認証局として20年以上の実績をもつ認証局基準のセキュアなシステムです。クラウドサービスにおける根源的な問いかけ、すなわち「本当にID・パスワードをクラウドに置いてよいのか?」という不安に関する解答が、「GMOグローバルサイン社の認証局としての実績」となります。この信用が決め手になって、導入しているクライアントも少なくないとのことです。
最後に、「SKUID」のアライアンス例をいくつかご紹介します。
「SKUID」が、法人向けファイルストレージサービスBOXとの連携をした事例では、「SKUID」を導入することで、BOXの導入に対する課題が格段に減りました。
通常、BOXに機密情報を格納した場合には、認証強化を施す必要があります。認証強化の解決策に「SKUID」を活用することで、機密文書もセキュアな環境を保ちつつ、手軽にクラウド上で管理できるようになります。
従来、静脈認証のデバイスを持つ認証デバイスメーカーは、金融、官公庁や医療分野に販路を求めておりましたが、昨今の法人向けクラウドサービスの伸長により、一般法人でもログオンの認証強化として静脈認証を選ばれる事が増えてきているようです。そこで「SKUID」とAPIやSAML認証で連携することで、「より敷居が低く」、「より売りやすい」認証サービスとしての販路開拓を検討しています。
システムインテグレーターとのパートナーシップの事例としては、大企業における認証システムのリプレイスがあります。
本来、「SKUID」が得意とする企業規模は、従業員数が20~100名程度の中小企業です。とはいえ、「SKUID」の機能と特長が注目され、数千名規模の大手企業からの問い合わせも少なくありません。大手企業からの要望として多いのはリプレイスです。すなわち、既存のオンプレミスのシステムからクラウドサービスへの移行です。このような場合は、SI企業と連携しながらカスタマイズした「SKUID」を導入しています。
以上、「SKUID」のビジネスモデルについてご紹介しました。
ぜひ奮ってご参加ください。
第一回目「基本機能無料のSSO/ID管理クラウドサービス『SKUID』とは」
第二回目「認証局ならではの強固なセキュリティを提供する、SSO/ID管理クラウドサービス『SKUID』」
「認証・ID管理の課題と、今後「SKUID」に求められる機能」
第一回目 人事異動への対応やSAML認証への対応
第二回目 SLAや監査への対応
第三回目 利用環境
1993年、株式会社野村総合研究所(NRI)入社。 インフラ系エンジニア、ITアーキテクトとして、証券会社基幹系システム、証券オンライントレードシステム、損保代理店システム、大手流通業基幹系システムなど、大規模システムのアーキテクチャ設計、基盤構築に従事。 2003年、NRI社内に、オープンソースの専門組織の設立を企画、10月に日本初となるオープンソース・ソリューションセンター設立。 2006年、社内ベンチャー制度にて、オープンソース・ワンストップサービス「OpenStandia(オープンスタンディア)」事業を開始。オープンソースを活用した、企業情報ポータル、情報分析、シングルサインオン、統合ID管理、ドキュメント管理、統合業務システム(ERP)などの事業を次々と展開。 オープンソースビジネス推進協議会(OBCI),OpenAMコンソーシアムなどの業界団体も設立。同会の理事、会長や、NPO法人日本ADempiereの理事などを歴任。 2013年、NRIを退社し、株式会社オープンソース活用研究所を設立。
2022年11月11日(金)16:00~17:00 『今、知っておくべきサイバー攻撃の実態 ~一番危険なセキュリティリスクは何なのか?~』 と題したウェビナーが開催されました。 皆様のご参加、誠にありがとうございました。 当日の資料とサマリー動画を以下から無料でご覧いただけます。 ご興味のある企業さま、ぜひご覧ください。
「OSV-Scanner」(OSVスキャナー)とは、Google製「脆弱性スキャナー」です。「プロジェクト依存関係リスト」と「既知脆弱性」を照合するための「OSVデータベースへのフロントエンド」を提供します。パッケージリストに対して詳細チェックを実施することで、パッチ適用の必要性情報を得られます。
FreeRADIUS(フリーラディウス)とは、オープンソースの高機能RADIUSサーバです。「RADIUS」はネットワーク上で「利用者認証」「権限付与」「利用状況記録」などを実施するための認証プロトコルであり、デファクトスタンダードとして広く使用されています。
Google Authenticator(グーグルオーセンティケーター)とは、Googleが開発している2段階認証(2要素認証)用トークンソフトウェアです。「SMSテキストメッセージ」「音声通話」「モバイルアプリ」などを使用して認証コードを送信/生成します。Googleサービスのみではなく、他社サービスの認証にも利用できます。
Vuls(バルス)とは脆弱性スキャンツールです。脆弱性データベースから脆弱性情報を取得して、「Linux(FreeBSD)系OS」「各種ミドルウェア」「各種フレームワーク」などに対する脆弱性存在を検査し、詳細情報をレポーティングします。サーバにインストールされているソフトウェアに対する脆弱性存在チェックに利用できます。
WireGuard(ワイヤーガード)とは、VPN(Virtual Private Network)ソリューションです。「Linuxカーネルツリーにマージ」「シンプル」「使いやすい」「数行のコードで簡単に実装」「ハイパフォーマンス」「学術研究をベースとして実装されている高いセキュリティ」などを特徴としています。
OpenLDAP(オープンエルダップ)とは、ディレクトリサービスを提供するオープンソースLDAPサーバです。サーバ間やシステム間で認証連携を行い、ユーザー情報データベースを統合管理することで、シングルサインオンを実現するための共通基盤となります。ディレクトリ情報の一元管理により、運用管理の作業負荷を大幅に削減し、セキュリティを強化できます。
OpenVAS(オープンバス)とは、セキュリティチェック用脆弱性スキャンツールです。包括的で強力な脆弱性スキャンを行うことで脆弱性管理をサポートします。対象ホストのOSやソフトウェアに既知の脆弱性が含まれているかどうかについて自動でチェックを行い、詳細レポートを作成します。
Metasploit Framework(メタスプロイトフレームワーク)とは、セキュリティ脆弱性テストフレームワークです。コンピュータセキュリティに関するオープンソースプロジェクトで、「情報収集」「脆弱性検出」「ペネトレーションテスト」などを主な守備範囲としています。
ClamAV(クラムエーブイ)とはアンチウイルスエンジンです。さまざまな「ウイルス」「マルウェア」「悪意のある脅威」などを検出します。「ファイルスキャン」「電子メールスキャン」「Webスキャン」などエンドポイントセキュリティを含むさまざまな状況で利用できます。
Snort(スノート)はネットワーク型IDS(不正侵入検知システム)です。ネットワーク上を流れるパケットを解析して、不正パターンに合致するパケットを検知したら警告を発します。「パケットスニファ」や「パケットロガー」としても利用でき、豊富なアウトプットプラグインによる機能拡張が可能です。
OpenAM(オープンエーエム)とは、オープンソースの認証ソリューションです。「認証」「アクセス認可」「フェデレーション」などの高機能を備え、シングルサインオン機能を提供します。商用製品と同等の機能が実装されており、「アクセス制御の統合/強化」「セキュリティ対策」「個人情報漏洩防止強化」などのメリットがあります。
Keycloak(キークローク)とは、WebアプリケーションおよびRESTfulWebサービス用のシングルサインオン機能を提供するアクセス管理ソリューションです。「シングルサインオン認証フレームワーク」+「管理コンソール」でシングルサインオン環境を構築するための一通りの機能を提供します。
Shibboleth(シボレス)とは、シングルサインオン機能を提供するソリューションです。連合アイデンティティソリューションとして世界で広く展開されており、ユーザーを組織内外の両方のアプリケーションに接続します。
OpenVPN(オープンブイピーエヌ)とは、オープンソースのVPN(Virtual Private Network)構築ソフトウェアです。「堅牢なセキュリティと安定性」が特徴です。
WSO2 Identity Server(ダブルエスオーツー アイデンティティ サーバ)とは、シングルサインオンソリューションです。アプリケーション/API/クラウド/モバイル間で統合ID管理を行います。
LibreSSL(リブレ エスエスエル)とは、SSL/TLSプロトコルのオープンソース実装(通信用ソフトウェア)で、「OpenSSL」の派生改良版です。圧倒的シェアを持つが問題が多い「OpenSSL」を代替できるものとして期待されています。
OpenSSH(オープンエスエスエイチ)。ネットワーク経由通信を暗号化する「SSH」のオープンソース実装です。おもにUNIX/Linuxサーバに対するネットワーク経由でのリモートログインに使用します。
OpenSSL(オープンエスエスエル)。オープンソースSSL/TLS暗号化ライブラリです。世界中のWebサイトで圧倒的シェアを持っており、事実上の業界標準となっています。
Apache DS(アパッチディーエス)。オープンソースのLDAP(ディレクトリ)サーバです。「Apache Directory」プロジェクトで開発されています。
389 Directory Server(389ディレクトリサーバ)。オープンソースディレクトリサーバです。「Fedora Directory Server」の後継で、商用製品の流れを受けており、ユーザフレンドリーなGUIツールの充実などが特徴です。
OpenIDM(オープンアイディーエム)。高い柔軟性と拡張性を備え、エンタープライズ/クラウド/モバイル/ソーシャル/レガシーなど多様な環境において、ユーザアカウントのプロビジョニングとライフサイクルの一元管理を実現するID管理製品です。
OpenDJ(オープンディージェー)。OpenAMに内蔵されており、先進的なレプリケーションアーキテクチャや「REST API」を搭載したLDAP準拠の高機能オープンソースディレクトリサーバです。