株式会社アクシオによる『主要シングルサインオン製品 徹底比較』セミナー(後編)

２０１５年１１月１３日、株式会社アクシオによる『主要シングルサインオン製品 徹底比較』セミナーが開催されました。

株式会社アクシオは、シングルサインオンなどの統合認証基盤システム分野を１５年間取り扱っており、１００社をこえる導入実績を保有しています。本セミナーでは、これら１５年の導入実績と、実際に構築した技術者の生々しい意見を取り入れ、主要シングルサインオン製品の５つの比較が行われました。

今回は後編として、
「Novell Access Manager」
「OpenAM」
「Oracle Access Manager」
について紹介していきます。

多機能、オープンソース、高機能な製品

「Novell Access Manager」
機能が豊富で、ほぼ全ての設定をGUIで行うことができますが、豊富なゆえに必要な設定がどこにあるかが探しづらかったり、既に豊富な機能を使いこなしているユーザーは他社製品へ乗り換えをするのは非常に難しいのではないだろうかとの説明がありました。

「OpenAM」
オープンソースのため、ライセンスコストが無いことやカスタマイズの自由度が高いことがメリットですが、反面、カスタマイズしないと使えない機能があるためにカスマイズが必須です。

インストール自体は、さほど苦労しないですが、マニュアルが貧弱なため、初めての導入時は非常に苦労するのと、オープンソースのためサポート体制は確実に必要となるとの説明がありました。

「Oracle Access Manager」
認証サーバにOracleデータベースとWebLogicを必要とするため、インストールはとても苦労をするが、一度、稼働してしまえば抜群の安定性となる製品。しかし、利用するOracleデータベースは設定用のデータストアにしか使えないのため、ユーザーストアは別途で構築が必要となるため、エンジニアからは統合できればとの声もあるとの説明がありました。

最後に、参考として「RSA Access Manager」について紹介がありました。

「RSA Access Manager」
１２月からメーカからの購入ができなくなってしまうのと、Federation機能に対応していないことから、他製品へのリプレイ提案が多く進められているようです。

５つの製品比較「導入・運用」では、「IceWall」「GMOグローバルサイン シングルサインオン」

比較の結果では、「導入・運用」が簡単なのは「IceWall」「GMOグローバルサインシングルサインオン」が圧倒的であり、次に「OpenAM」「Novell Access Manager」「Oracle Access Manager」という順番でした。

５つの製品比較「アプリケーションの移行性」では、リバースプロキシ型に軍配

コンテンツの書き換え機能の充実度が評価となるため、リバースプロキシ型の「IceWall」「Novell Access Manager」に軍配があがりました。

５つの製品比較「カスタマイズ性」では、認証・認可のカスタマイズが可能な「IceWall」

「カスタマイズ性」では、画面のカスタマイズ程度はいずれも大差はないようだが、認証・認可の機能そのものをカスタマイズする場合には「IceWall」が最適となりました。

ユーザー要件の実現に最適な製品の検討材料として

主要なシングルサインオン製品には、いずれも一長一短があるとしながら、もし仮に「RSA Access Manager」のリプレイス提案する場合、以下のようなシナリオが考えられると紹介がありました。

「RSA Access Manager」をリプレイス提案する場合のシナリオ
現状の運用を大幅に変更せずに移行できるのであれば「OpenAM」が適していますが、予算と工期をかけても良ければ「Oracle Access Manager」が良いのではないでしょうか。また、「IceWall」にする場合、アプリケーションがURL変更に対応できるかどうかが鍵となりますが「Novell Access Manager」より導入は簡単です。また、この機会を契機とし、SAMLベース製品の「GMOグローバル シングルサインオン」で、将来性の提案をしていくことも良いでしょう。

どの製品が一番という視点ではなく、要件実現の選択材料として比較をしながら、導入や提案を行っていくことが重要なポイントということがわかりました。

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