オープンソース活用研究所 | LIFERAYのCE版とEE版、サポート以外での違いは?前編

LIFERAYのCE版とEE版、サポート以外での違いは?前編

オープンソース活用研究所

2016年03月21日
オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

前回に引き続き、CE版とEE版との違いについて、さらに掘り下げていきたいと思います。

インタビュアー:株式会社オープンソース活用研究所 寺田雄一
インタビュイー:日本ライフレイ株式会社 並木幸太
       :日本ライフレイ株式会社 高田景之

CE版とEE版、機能面の違いは?

Q. LIFERAYのCE版とEE版の、機能面の違いを教えて下さい。CE版になくてEE版にある機能や、それぞれがお客様にどのような価値をもたらすのか教えて下さい。

A.まず、LIFERAYのCE版はコミュニティベースのものなので、大規模なエンタープライズ用として導入されることを前提としていません。そのためクラスタリング、監査ログ、外部との連携に必要なSAMLをサポートするポートレット、開発環境などが備わっていません。それゆえ、エンタープライズのお客様にはLIFERAYのEE版をおすすめしています。

Q. LIFERAYのCE版とEE版では開発環境も違うのでしたね?EE版にはDeveloper Studioという開発者向けのものが用意されていますよね。

A.はい、ございます。Developer Studioは、EE版用ポートレットの開発に必要な環境が備わった、オールインワンの製品です。EE版のお客様にのみ提供しております。

Q.CE版とEE版の機能面での違いをまとめると、EE版は信頼性、拡張性、パフォーマンスなどが優れている、ということですね。

A.その通りです。

Q.CE版とEE版の違いの本質とは、機能面の違いよりも、サポートの違いであると理解してよろしいでしょうか?

A.はい。我々の営業サイドでも、サブスクリプションのバリューはサポートとメンテナンスだと思っています。機能差に加え、リーガルサポートも含めたサポート全体の価値をお客様にお伝えするようにしています。

コスト面の違いもあります。エンタープライズのお客様がCE版でシステムを構築されるとEE版をご購入いただくよりもトータルコストが高くつく場合が多いです。総じてみると、企業でLIFERAYを使っていただく場合はEE版をご購入いただく方がコストメリットがありますし、色々な保証も付いてきます。

Q.お客様でCE版からEE版へ移行された事例はありますか?

A.長らくCE版を使ってこられたお客様で利用範囲が広がった結果、EE版で提供されている機能、例えばSLAやサポート、リーガルプロテクション、メンテナンスが必要となってEE版に移行されたというケースがあります。EE版ですと我々のコンサルティングサービスも利用できますし、我々の正規パートナーのサポートもお使いになれます。CE版ですとそうしたオフィシャルなサポートをご利用いただけません。さらにCE版ですとバージョンアップへの対応が非常に難しく、長期に渡るご利用はお勧めできません。

リーガルプロテクション(訴訟対応)で安心のEE版

Q.リーガルプロテクションについて教えていただけますか?

A. LIFERAYはオープンソースですので、第三者の知的所有権がサービスに含まれるケースがございます。EE版をお使いのお客様が、万が一そうした第三者から訴えられた場合に我々がソフトウェアベンダーとしてお客様の代わりに対応するというものです。

Q.通常の商用製品と同じように訴訟に対応されるということですね。

A.その通りです。商用製品と同様に安心してお使いいただくことができます。

CE版では、アップグレードの保障がない

Q.アップグレードにおける違いについて改めて教えていただけますか?

A.CE版の場合、アップグレードは一から作り直す(再構築する)形になります。また、コピーもとのアプリケーションが新しいバージョンで動く保証はありません。

EE版ですとアップグレードのパスが用意されています。EE版では基本的にワンステップ毎のバージョンアップが保証されていて、移行のサポートやツールも用意されています。CE版ではそうしたものは用意されていません。

Q.ありがとうございます。次回はコンサルティングサービスについて、お伺いしたいと思います。

日本ライフレイのセミナー講演資料はこちら

https://majisemi.com/e/c/liferay-20160304
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著者プロフィール

オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

1993年、株式会社野村総合研究所(NRI)入社。 インフラ系エンジニア、ITアーキテクトとして、証券会社基幹系システム、証券オンライントレードシステム、損保代理店システム、大手流通業基幹系システムなど、大規模システムのアーキテクチャ設計、基盤構築に従事。 2003年、NRI社内に、オープンソースの専門組織の設立を企画、10月に日本初となるオープンソース・ソリューションセンター設立。 2006年、社内ベンチャー制度にて、オープンソース・ワンストップサービス 「OpenStandia(オープンスタンディア)」事業を開始。オープンソースを活用した、企業情報ポータル、情報分析、シングルサインオン、統合ID管理、ドキュメント管理、統合業務システム(ERP)などの事業を次々と展開。 オープンソースビジネス推進協議会(OBCI),OpenAMコンソーシアムなどの業界団体も設立。同会の理事、会長や、NPO法人日本ADempiereの理事などを歴任。 2013年、NRIを退社し、株式会社オープンソース活用研究所を設立。

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