クラウドオーケストレーションと構築・運用の「アジャイル化」~倉持 健史~ | クラウド時代におけるシステム運用の課題と対策 勉強会(1回目)

クラウド時代におけるシステム運用の課題と対策 勉強会(1回目)

クラウドオーケストレーションと構築・運用の「アジャイル化」~倉持 健史~

2015年11月20日
TIS株式会社 IT基盤技術本部 OSS推進室 倉持 健史

こんにちは!TIS株式会社 OSS推進室の倉持です。

2015年9月14日、TIS株式会社 セミナールームにて、『クラウドオーケストレーションと構築・運用の「アジャイル化」~クラウド時代におけるシステム運用の課題と対策 勉強会~』を開催致しました。

本稿では、勉強会での講演の中から、TIS株式会社 戦略技術センター エキスパート 松井 暢之による『クラウドオーケストレーションが描く明日からのシステム構築』の内容を、ダイジェストでご紹介致します。

なお本稿は、TIS株式会社 松井の講演内容をベースに、倉持監修のもと、オープンソース活用研究所にて作成、編集しました。

講演資料は公開しておりますので、こちらもぜひご参考下さい。

クラウド市場の拡大

クラウド市場は、拡大を続けています。2013年度の国内クラウド市場は6,257億円であり、2018年度には2.9倍の1兆8,000億円まで拡大すると言われています。この後、少なくとも2020年までは順調に伸びていくというのは、共通認識だろうと思われます。

この内「プライベートクラウド」の比率は7割を超えており、これがクラウド市場を牽引すると言われています。

また、「新しくシステムを作る時は、クラウドを使うことを、まず最初に考える」という「クラウドファースト」が、主流になりつつあります。

クラウドの真の力を引き出せているのか?

しかし、皆様は本当にクラウドを「きちんと」使えていますでしょうか?

「クラウド」の定義は曖昧ですが、米国国立標準技術研究所(NIST)がクラウドの定義を次のように述べています。

「共用の(APIを通じて)構成可能なリソースの集積に、どこからでも、簡便に、必要に応じて、ネットワーク経由でアクセスすることで、最小限の利用手続きで、リソースがもらえるもの」

従って、「APIを通じて、必要に応じて、必要なだけのリソースがいつでも手に入る」というものがクラウドと定義されています。

なお、実は見ていただくと分かるように、ここには“仮想化"というキーワードは出てきません。実は、クラウドに仮想化は必須ではないのです。“クラウド"と“仮想化"は混同されることも多く、これも「本当にクラウドを、きちんと使えているだろうか?」と不安になる一因です。

クラウドを選択するリスク「クラウドサービスは終了する」

クラウドを使う場合に、まず最初に出てくる課題、リスクが、「クラウドを選ばなければならない」ということです。

これを考えるにあたって、まずは、ガートナーのマジック・クアドラントを見て下さい。

横軸は、右側に行けば「ビジョンがある」、ということを表しています。クラウドというものに対してビジョンを持っており、「市場をこうしていくべきだ」という意図があるということを表します。

縦軸は、上に行けば「実行能力がある」ということを表しています。「市場に対してデリバリーができている」というものほど、上にいきます。

まずはパブリッククラウドです。

パブリッククラウドでは、AWSが、ほぼ一人勝ちです。「最も市場のクラウドというものに対するビジョンを持っていて、最も実行能力があるのがAWS」というのは、おそらく、皆様の実感として合っているのかなと思います。

しかし、昨年から急上昇しているのが、マイクロソフトのAzureです。これはOffice365も含んでいます。これに、グーグルと、IBMのSoftLayerを含めた4つのサービスが、クラウドベンダーのBig4と呼ばれるものです。

一方、一時は「リーダー」と呼ばれながら、競争に負けてしまったサービスもあります。2012年くらいに、これらのサービスを選択してしまった企業は、おそらく現在大変困った状況になっていると考えられます。

パブリッククラウドの世界は、今、「Big4」と「その他」に2極化されつつあるというのが、ここから分かると思います。

次に、プライベートクラウドについてですが、こちらは基本的にはVMware しか選択肢がない状況です。これに対して、オープンソースのOpenStackが注目されてきています。

パブリッククラウド、プライベートクラウド、共に、「製品やサービスの継続性」が重要となります。「クラウド」というと永久にサービスが提供されるような印象を持たれているかたもいらっしゃるかもしれません。しかし、「クラウドサービスは終了する」ものであり、実際そのような事例も多くあります。

企業はクラウドを選択するにあたり、それが継続的に利用できるかどうかを、注意して評価し、製品やサービスを選定する必要がありますが、それでも継続性が保証されるわけではありません。これに対して、企業は何らかの対策を取る必要があります。

クラウドロックインの回避

万が一、クラウドの製品やサービスが終了した場合、速やかに他の製品やサービスに移行できれば、終了リスクに対する対策になります。しかし、多くの製品・サービスが「ロックイン戦略」を取っていることもあり、クラウド間の移行は容易ではありません。

しかし工夫次第では、移行を容易にすることが可能です。

これには、インフラ運用の自動化が重要になってきます。

まだ手作業が多い、インフラ運用

シェルスクリプトなどで、インフラ構築の一部を自動化している例はありますが、全体から見るとまだまだ手作業による構築、運用が多いのが実情です。具体的には、手順書やパラメータシートなどを元に、エンジニアが手作業で一行ずつコマンドを投入し、インフラの構築や運用を行っているケースがほとんどだと思います。この場合、人為的ミスの防止のため、複数人でコマンド入力を目視チェックしながら行うなどが必要なため、著しく生産性は下がります。また、人間が行う以上、どうしてもミスをなくすことはできません。

実際、システム障害の2~3割は、作業ミスによるものと言われています。

クラウドの力を活用できていない、インフラ運用

また、従来の手作業によるインフラ運用のまま、クラウドを活用しても、その力を十分に活用することはできません。手作業によるインフラ運用では、クラウドを使ったとしても下の図の通り、リソースを申請してからそれが提供されるまで、1ヶ月~2ヶ月かかってしまいます。

前述の通り、クラウドとは「APIを通じて、必要に応じて、必要なだけのリソースがいつでも手に入る」というものです。1ヶ月~2ヶ月かかっているようでは、クラウドとは呼べません。

クラウドの真の力を引き出すためには?

クラウドを十全に活用するためには、クラウドが備えるAPIを活用し、インフラの構築や運用を自動化することで、「労力を減らす」ことが重要です。またこれは「品質を向上させる」ことにもつながります。

具体的には、インフラ運用の設計ノウハウを標準化・コード化し、APIを用いてシステム全体を自動的に構築(オーケストレート)できるようにします。また、インフラを運用して得られたノウハウを再度コードに反映して次のサイクルで活用します。これを「インフラ運用のアジャイル化」と呼びます。

このような取り組みによって、クラウドの真の力を引き出すことが可能となります。

次回は、インフラ運用の自動化や、それをささせるツールについて、解説したいと思います。

(TIS株式会社 戦略技術センター エキスパート 松井 暢之のプロフィール)
入社以来アーキテクチャ設計やデータモデル策定、フレームワーク構築などバッ クエンドを得意とするアーキテクトとして様々なプロジェクトに従事。現部門に 異動してからは、不芳PJの火消しや戦略技術の獲得、新規サービスの企画開発な どに携わる。近年はインフラ運用のパターン化と自動化を行うOSSのクラウド オーケストレーションツール「CloudConductor」 (http://cloudconductor.org)やIoT関連技術の研究開発・事業企画に従事して いる。


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著者プロフィール

TIS株式会社 IT基盤技術本部 OSS推進室 倉持 健史

2001年からSIerにて業種を問わず基盤技術からミドルウェアまでのインテグレーションに従事。ソフトウェア/ハードウェアベンダーでのサポート、プリセールスやソリューション開発経験を重ねる。現在はTISの持つOSSサポートサービスや、クラウド時代におけるOSS活用を、社内外にて発信している。

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