CLOSE UP コラム - ThemiStruct(テミストラクト) | OpenAMを活用して、Office 365のセキュリティを強化するには?(第7回)

OpenAMを活用して、Office 365のセキュリティを強化するには?(第7回)

CLOSE UP コラム - ThemiStruct(テミストラクト)

2014年05月29日
株式会社オージス総研 千野修平・諸橋純也

(バックナンバー)

(第1回)OpenAMとは
(第2回)OpenAMを拡張した、「ThemiStruct-WAM(テミストラクト-ワム)」
(第3回)OpenAMと連携する、発行枚数に依存せず定額な電子証明書とは?
(第4回)OpenAMを活用し、事前に許可したスマートフォンやタブレットにのみ、アクセスを許可するには?
(第5回)OpenAMを活用した、BYODにおけるセキュリティ強化の手法は?
(第6回)OpenAMによる、Office 365の認証統合

(第7回)OpenAMを活用して、Office 365のセキュリティを強化するには?

オープンソースを活用したソリューション提供に積極的に取り組んでいる株式会社オージス総研。今回は、オープンソースの「OpenAM」を活用した統合認証ソリューションで、今業界から注目を集めている「ThemiStruct-WAM(テミストラクト-ワム)」について、開発元である株式会社オージス総研 サービス事業本部 テミストラクトソリューション部の千野様、諸橋様にお話しをお伺いました。

第7回は、前回に聞き続き、Office 365との認証統合のお話しです。重要性の高い文書やデータをOffice 365で扱うにあたって、そのセキュリティを強化する方法について聞きました。(インタビューア:オープンソース活用研究所 寺田)

寺田
前回に引き続き、OpenAMとOffice 365との認証統合についてお聞きしたいと思います。 企業でOffice 365を利用する場合、セキュリティ面で課題や不安があるという話しを聞きました。これはどういうことなのでしょうか。

諸橋
企業でOffice 365を利用する場合、メールや情報共有での利用だと思います。従来、サーバは会社内に設置されていたので、機密情報などを社内で共有したりしても、さほど問題になりませんでした。 しかし、Office 365はクラウド上に情報を保管します。また、スマートフォンやタブレット端末からもOffice 365にアクセスできますので、社外から簡単に情報にアクセスできるのです。この時のセキュリティが、ID、パスワードだけで本当に大丈夫なのか、というのが問題です。

寺田
なるほど。しかし、そのような問題やニーズは当然あると思います。Office 365自体に解決するためのソリューションはないのでしょうか。

諸橋
少しずつ整備されてきているようです。しかし、企業には様々なシステムがあり、全てがMicrosoft製品ではありません。CALの問題もあります。そこを総合的に解決する必要があります。

寺田
なるほど。オージス総研では具体的にどのようなソリューションを提供しているのでしょうか。

「会社支給のデバイスのみ許可したい」「私的デバイス(BYOD)を使わせたい」

千野
まず多いのが、「会社から支給されたデバイスでのみ、Office 365を使わせたい。私的デバイスでは使わせたくない。」といったニーズです。これに対しては、第4回でご紹介した「ThemiStruct-CM(テミストラクト-シーエム)」を活用し、電子証明書を発行します。予め電子証明書をインストールしたデバイスでのみ、Office 365を利用することができるようにします。

寺田
「ThemiStruct-CM(テミストラクト-シーエム)」は、証明書の発行枚数に依存しない課金体系が特徴でしたね。ユーザ数が多い場合に有効ですね。

千野
はい。次は逆で、「私的デバイス(BYOD)を使わせたい。しかし、ID、パスワードだけでは不安だ。」といった場合です。この場合には、第5回で紹介した「ThemiStruct-OTP(テミストラクト-オーテーピー)」を活用し、ワンタイムパスワードを発行、入力させることによってセキュリティを強化します。 「自宅のPCで作業したい」といったニーズもあり、そういった場合にも、「ThemiStruct-OTP(テミストラクト-オーテーピー)」を利用します。

寺田
ID、パスワード以外に、もう1つワンタイムパスワードを入力させることによって、認証させるのですね。なるほど、それなら安心ですね。

「ThemiStruct for Office 365」の基本機能

諸橋
私的デバイス(BYOD)の場合は、「デバイスに社内の文書をダウンロードさせたくない」といったニーズもあります。会社支給のデバイスの場合、こういったニーズはあまりありませんが、BYODではよく聞かれます。 この場合は、「ThemiStruct-OTP(テミストラクト-オーテーピー)」によるワンタイムパスワードに加えて、第4回でご紹介した、株式会社ジェーエムエーシステムズが提供する「KAITO」というセキュリティブラウザを利用します。これによりダウンロードを禁止することができます。また、「KAITO」に「ThemiStruct-CM(テミストラクト-シーエム)」で発行した電子証明書を導入することで、「KAITO」以外のブラウザでOffice 365にアクセスすることを禁止できます。

さらに、役職によって認証方法を変更したい、といったニーズもあります。こういった特殊な要望にも、「ThemiStruct for Office 365」であれば対応することが可能です。

寺田
なるほど。まさに「ThemiStruct(テミストラクト)」シリーズがいろいろと連携して、Office 365のセキュリティを強化しているのですね。 では、「ThemiStruct for Office 365」の事例を紹介していただけませんでしょうか。

(バックナンバー)

(第1回)OpenAMとは
(第2回)OpenAMを拡張した、「ThemiStruct-WAM(テミストラクト-ワム)」
(第3回)OpenAMと連携する、発行枚数に依存せず定額な電子証明書とは?
(第4回)OpenAMを活用し、事前に許可したスマートフォンやタブレットにのみ、アクセスを許可するには?
(第5回)OpenAMを活用した、BYODにおけるセキュリティ強化の手法は?
(第6回)OpenAMによる、Office 365の認証統合


次のページへ続く

【次ページ】Office 365の認証を強化した事例は?

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著者プロフィール

株式会社オージス総研 千野修平・諸橋純也

株式会社オージス総研で、オープンソースを活用したIT基盤ソリューションであるThemiStruct(テミストラクト)の開発に従事。 サービス事業本部 テミストラクトソリューション部 プロフェッショナルサービス第二チーム 千野修平 サービス事業本部 テミストラクトソリューション部 プロフェッショナルサービス第一チーム 諸橋純也

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