2014年04月10日
株式会社オージス総研 千野修平・諸橋純也
寺田
マニュアルについては、どのようなものなのでしょうか。
諸橋
OpenAMや「ThemiStruct-WAM(テミストラクト-ワム)」を導入されるエンジニア向けのマニュアルと、システムを運用されるオペレータ向けのものがあります。統合認証、シングルサインオンの導入方法論的内容と、OpenAM等の実際のインストールや設定、連携するアプリケーションの追加手順などが書いています。
マニュアルにもかなり力を入れています。ここまで充実した日本語マニュアルは他社には無いのではないでしょうか。
実際、当社は「ThemiStruct-WAM(テミストラクト-ワム)」を製品として提供するだけで、実際の導入や運用は他のシステムインテグレーター様が実施したいというニーズが増えてきています。素のOpenAMの導入はかなり複雑で難易度が高いですが、「ThemiStruct-WAM(テミストラクト-ワム)」のマニュアルを活用すると導入プロジェクトがスムースにいくのではないかと、システムインテグレーター様からも期待されています。
寺田
導入もオージス総研様がご担当されるのかと思っていましたが、他のシステムインテグレーターが行うケースもあるのですね。そういった「ThemiStruct-WAM(テミストラクト-ワム)」を使いたいシステムインテグレーターへのトレーニングなども実施しているのでしょうか。
千野
はい、システムインテグレーター様との協業はより推進していきたいと考えています。トレーニングは、まだメニュー化できていませんが、個別に対応させて頂いています。
寺田
続いて事例についてお聞きしたいと思います。「ThemiStruct-WAM(テミストラクト-ワム)」を使った事例を幾つか教えて頂けませんでしょうか。
諸橋
はい。わかりました。
最初は、大学様の事例です。
このプロジェクトは、大学で使っているOutlookやExchange、就職支援システムなどのシステムで、シングルサインオンを実現するものです。OpenAMを含めた「ThemiStruct-WAM(テミストラクト-ワム)」を導入しました。
この大学は規模が大きく、約30,000のユーザがいます。また特定の時間にアクセスが集中する傾向があり、素のOpenAMではエージェント部分で性能問題が発生してしまいました。「ThemiStruct-WAM(テミストラクト-ワム)」ではこの部分をチューニングし、問題を解決しました。
次は、電鉄会社様の事例です。 ユーザ数は約5,000人。社内からだけではなく、社外からも情報システムにアクセスしたい、という要件がありました。 元々ハードウェア型のファイアウォールを導入されていましたが、それを「ThemiStruct-WAM(テミストラクト-ワム)」のリバースプロキシを使ってリプレースしています。これによって社外からのアクセスにも対応できるようになりました。 さらに、「ThemiStruct-WAM(テミストラクト-ワム)」の二要素認証を活用して、社外からのアクセス時のセキュリティを強化しています。
最後は、機器メーカー様の事例です。 ユーザ数は約10,000名で、シングルサインオン対象のアプリケーション数は24あります。かなりの大型プロジェクトでした。GoogleAppsとの連携の要件もあり、これはOpenAMの機能であるSAML連携を利用して実現しました。
寺田
ありがとうございます。最後に「ThemiStruct-WAM(テミストラクト-ワム)」について、アピールしておきたいことはございますか?
千野
繰り返しになりますが、我々は統合認証やシングルサインオンにおける、お客様の課題を解決するために、商用製品の導入から、独自システムの開発、オープンソースの活用と改善を重ねる中でノウハウを蓄積してきました。オープンソースのOpenAMを活用しつつもお客様の視点で、機能を改善したりマニュアルを整備したりしてきました。
寺田
そのノウハウは、基本的にはマニュアルに集約されている、ということですね?
千野
はい、その通りです。あとは品質へのこだわりです。
製品としてのテストには相当こだわっています。単体テストや回帰テスト、機能網羅テストなど、様々なテストを行っています。さらにオープンソース・ライセンスの管理ツールを活用した診断も実施しており、危険なオープンソース・ライセンスを使ったライブラリの排除なども行っています。また、負荷テスト、性能テストなども実施し、総合的な品質の確保を日々行っています。
寺田
ありがとうございます。
次回以降は、「ThemiStruct-WAM(テミストラクト-ワム)」の特徴である、クライアント証明書、ワンタイムパスワード、端末認証、Office365連携などについて、詳しくお話しをお伺いさせて頂きたいと思います。
(第1回)OpenAMとは
(第3回)OpenAMと連携する、発行枚数に依存せず定額な電子証明書とは?
(第4回)OpenAMを活用し、事前に許可したスマートフォンやタブレットにのみ、アクセスを許可するには?
(第5回)OpenAMを活用した、BYODにおけるセキュリティ強化の手法は?
(第6回)OpenAMによる、Office 365の認証統合
(第7回)OpenAMを活用して、Office 365のセキュリティを強化するには?
株式会社オージス総研で、オープンソースを活用したIT基盤ソリューションであるThemiStruct(テミストラクト)の開発に従事。 サービス事業本部 テミストラクトソリューション部 プロフェッショナルサービス第二チーム 千野修平 サービス事業本部 テミストラクトソリューション部 プロフェッショナルサービス第一チーム 諸橋純也
2022年11月11日(金)16:00~17:00 『今、知っておくべきサイバー攻撃の実態 ~一番危険なセキュリティリスクは何なのか?~』 と題したウェビナーが開催されました。 皆様のご参加、誠にありがとうございました。 当日の資料とサマリー動画を以下から無料でご覧いただけます。 ご興味のある企業さま、ぜひご覧ください。
「OSV-Scanner」(OSVスキャナー)とは、Google製「脆弱性スキャナー」です。「プロジェクト依存関係リスト」と「既知脆弱性」を照合するための「OSVデータベースへのフロントエンド」を提供します。パッケージリストに対して詳細チェックを実施することで、パッチ適用の必要性情報を得られます。
FreeRADIUS(フリーラディウス)とは、オープンソースの高機能RADIUSサーバです。「RADIUS」はネットワーク上で「利用者認証」「権限付与」「利用状況記録」などを実施するための認証プロトコルであり、デファクトスタンダードとして広く使用されています。
Google Authenticator(グーグルオーセンティケーター)とは、Googleが開発している2段階認証(2要素認証)用トークンソフトウェアです。「SMSテキストメッセージ」「音声通話」「モバイルアプリ」などを使用して認証コードを送信/生成します。Googleサービスのみではなく、他社サービスの認証にも利用できます。
Vuls(バルス)とは脆弱性スキャンツールです。脆弱性データベースから脆弱性情報を取得して、「Linux(FreeBSD)系OS」「各種ミドルウェア」「各種フレームワーク」などに対する脆弱性存在を検査し、詳細情報をレポーティングします。サーバにインストールされているソフトウェアに対する脆弱性存在チェックに利用できます。
WireGuard(ワイヤーガード)とは、VPN(Virtual Private Network)ソリューションです。「Linuxカーネルツリーにマージ」「シンプル」「使いやすい」「数行のコードで簡単に実装」「ハイパフォーマンス」「学術研究をベースとして実装されている高いセキュリティ」などを特徴としています。
OpenLDAP(オープンエルダップ)とは、ディレクトリサービスを提供するオープンソースLDAPサーバです。サーバ間やシステム間で認証連携を行い、ユーザー情報データベースを統合管理することで、シングルサインオンを実現するための共通基盤となります。ディレクトリ情報の一元管理により、運用管理の作業負荷を大幅に削減し、セキュリティを強化できます。
OpenVAS(オープンバス)とは、セキュリティチェック用脆弱性スキャンツールです。包括的で強力な脆弱性スキャンを行うことで脆弱性管理をサポートします。対象ホストのOSやソフトウェアに既知の脆弱性が含まれているかどうかについて自動でチェックを行い、詳細レポートを作成します。
Metasploit Framework(メタスプロイトフレームワーク)とは、セキュリティ脆弱性テストフレームワークです。コンピュータセキュリティに関するオープンソースプロジェクトで、「情報収集」「脆弱性検出」「ペネトレーションテスト」などを主な守備範囲としています。
ClamAV(クラムエーブイ)とはアンチウイルスエンジンです。さまざまな「ウイルス」「マルウェア」「悪意のある脅威」などを検出します。「ファイルスキャン」「電子メールスキャン」「Webスキャン」などエンドポイントセキュリティを含むさまざまな状況で利用できます。
Snort(スノート)はネットワーク型IDS(不正侵入検知システム)です。ネットワーク上を流れるパケットを解析して、不正パターンに合致するパケットを検知したら警告を発します。「パケットスニファ」や「パケットロガー」としても利用でき、豊富なアウトプットプラグインによる機能拡張が可能です。
OpenAM(オープンエーエム)とは、オープンソースの認証ソリューションです。「認証」「アクセス認可」「フェデレーション」などの高機能を備え、シングルサインオン機能を提供します。商用製品と同等の機能が実装されており、「アクセス制御の統合/強化」「セキュリティ対策」「個人情報漏洩防止強化」などのメリットがあります。
Keycloak(キークローク)とは、WebアプリケーションおよびRESTfulWebサービス用のシングルサインオン機能を提供するアクセス管理ソリューションです。「シングルサインオン認証フレームワーク」+「管理コンソール」でシングルサインオン環境を構築するための一通りの機能を提供します。
Shibboleth(シボレス)とは、シングルサインオン機能を提供するソリューションです。連合アイデンティティソリューションとして世界で広く展開されており、ユーザーを組織内外の両方のアプリケーションに接続します。
OpenVPN(オープンブイピーエヌ)とは、オープンソースのVPN(Virtual Private Network)構築ソフトウェアです。「堅牢なセキュリティと安定性」が特徴です。
WSO2 Identity Server(ダブルエスオーツー アイデンティティ サーバ)とは、シングルサインオンソリューションです。アプリケーション/API/クラウド/モバイル間で統合ID管理を行います。
LibreSSL(リブレ エスエスエル)とは、SSL/TLSプロトコルのオープンソース実装(通信用ソフトウェア)で、「OpenSSL」の派生改良版です。圧倒的シェアを持つが問題が多い「OpenSSL」を代替できるものとして期待されています。
OpenSSH(オープンエスエスエイチ)。ネットワーク経由通信を暗号化する「SSH」のオープンソース実装です。おもにUNIX/Linuxサーバに対するネットワーク経由でのリモートログインに使用します。
OpenSSL(オープンエスエスエル)。オープンソースSSL/TLS暗号化ライブラリです。世界中のWebサイトで圧倒的シェアを持っており、事実上の業界標準となっています。
Apache DS(アパッチディーエス)。オープンソースのLDAP(ディレクトリ)サーバです。「Apache Directory」プロジェクトで開発されています。
389 Directory Server(389ディレクトリサーバ)。オープンソースディレクトリサーバです。「Fedora Directory Server」の後継で、商用製品の流れを受けており、ユーザフレンドリーなGUIツールの充実などが特徴です。
OpenIDM(オープンアイディーエム)。高い柔軟性と拡張性を備え、エンタープライズ/クラウド/モバイル/ソーシャル/レガシーなど多様な環境において、ユーザアカウントのプロビジョニングとライフサイクルの一元管理を実現するID管理製品です。
OpenDJ(オープンディージェー)。OpenAMに内蔵されており、先進的なレプリケーションアーキテクチャや「REST API」を搭載したLDAP準拠の高機能オープンソースディレクトリサーバです。
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