「Zenko」基本情報
概要
Zenko(ゼンコ)とは、「Amazon S3」ベースのマルチクラウドデータコントローラーです。クラウド間で統一されたインターフェースを提供し、異種環境間のデータワークフローをサポートします。
基本説明
Zenkoは、Amazon S3機能を拡張するもので、異なるプラットフォーム間を横断するインテリジェントなレイヤーを提供します。
Amazon S3準拠の単一インターフェース(Amazon S3 API)をあらゆるアプリケーションに提供し、サポートされているパブリッククラウドストレージ(プライベートクラウドストレージ)に直接データを格納できます。
経緯
Zenkoは、Scality社が開発しており、2017年7月にオープンソース公開されました。
「非常に謎めいた狐(善狐)」がZenkoの名称由来です。
主な特徴
マルチクラウドデータコントローラ
Zenkoは、「マルチクラウドデータコントローラー」として、「データオブジェクトのメタデータ管理」と「データサービス機能」を提供します。
複数のプライベートクラウド/パブリッククラウド/リージョンにまたがるデータオブジェクトのメタデータ(非構造化データ)を一括管理でき、クラウドストレージの効率性とスケールを最大化します。
「各環境に適合させるためにアプリケーションを書き直さなければならない」という手間を削減できます。
AWS S3 API
Zenkoは、Amazon S3 APIを使用し、「オンプレミス」「プライベートクラウド」「パブリッククラウド」など、マルチクラウドバックエンドデータストレージをサポートする単体の統一インターフェースを提供します。
サポートストレージ
Zenkoは、「Amazon S3」「Microsoft Azure Blob Storage」などに対応しています。
Amazon S3 API互換のストレージ製品を使えば、オンプレミス環境も対象に含めることができます。
その他のクラウドプラットフォームもサポートされていく予定です。
クラウドワークフローエンジン「Backbeat」
「Backbeat」は、メッセージングシステムを中心としたエンジンで、次のような拡張されたクラウドワークフローサービスを提供します。
・データレプリケーション
・データマイグレーション
・クラウドアナリティクス
・データライフサイクル管理
・コンテンツ配信 など
検索機能「Cluesoメタデータサーチ」
「Cluesoメタデータサーチ」とは、「Apache Spark」ベースのメタデータ検索機能です。
主なポイント
・ペタバイト級のデータに対応
・高付加価値データと単なるデータノイズを分離
・キー属性に基づいて情報をサブセット化
・メタデータ検索「S3 x-amz-metaヘッダー」によるカスタムメタデータのキー/値属性のサポート
・SQLの文法によるプラットフォームを横断した検索やサブセット化
クラウドロックインを回避
パブリッククラウドでのサービス停止事案から、「やはりオンプレミスにもデータのコピーを置いておきたい」「特定のクラウドベンダーへの全面的な依存は避けたい」という企業も増えてきています。
Zenkoは、このような要望に応えられるソリューションとして注目を集めています。
同様製品
同様な機能を提供する製品として、次のようなものがあります。
オープンソース製品:「OpenDaylight」など。
オフィシャルサイト
オフィシャルサイト
ライセンス情報
Zenkoのライセンスは「Apache License 2.0」です。
詳細について、こちらを参照ください。
→GitHub →Zenko/LICENSE
ダウンロード
参考元サイト
- zenko.io
- CodeZine →スキャリティ、オブジェクトストレージ製品「Scality RING7」とマルチクラウドデータコントローラー「Zenko」を国内提供開始
- Scality →Scalityがオープンソース・ソフトウェアZenkoをリリース マルチクラウド環境でデータ管理を保証
- Tower of Engineers →Zenko を試してみる
- @IT →S3 APIでマルチクラウドのデータを一括管理するOSS、Zenkoとは
※定期的にメンテナンスを実施しておりますが、一部情報が古い場合がございます。ご了承ください。