基本情報
概要
Scala(スカラ)とは、オブジェクト指向言語と関数型言語の特徴を統合したマルチパラダイムプログラミング言語です。Java仮想マシン(JVM)上で動作し、Javaの後継を担う言語として注目されています。
基本説明
Scalaは、Javaの良さを最大限継承しつつ、さらに、スクリプト言語や関数型言語のメリットを吸収し、先進的な機能/文法を取り入れている言語です。Javaの後継を担うものとして注目されています。
Scalaは、Javaプラットフォーム(Java仮想マシン)上で動作し、豊富なJavaクラスライブラリをそのまま利用できます。Javaよりも簡潔な記述でプログラミングできます。
Scalaで書かれたプログラムソースは、コンパイルするとJavaのclassファイルと同等のものになります。ScalaでJavaプログラムを使用でき、逆に、JavaでScalaプログラムを使用できます。
スケーラビリティが高く、シンプルなバッチプログラム、Webアプリケーション、エンタープライズアプリケーションまで高い生産性を発揮できます。
経緯
「Scala」は英語の「Scalable Language(拡張性のある言語)」に由来するとされています。
Scalaの開発動機は、「汎用言語はスケーラブルでなくてはならない。同じ概念で、小さいプログラムも大きなプログラムも記述できるべきである」「スケーラビリティは関数型言語とオブジェクト指向言語の2つのプログラミングの概念を統合し、一般化することにより実現できる」とされています。
2001年、Scalaは、スイス・ローザンヌにあるスイス連邦工科大学のMartin Odersky氏によって設計されました。
2004年、Javaプラットフォームにリリースされました。
主な特徴
オブジェクト指向
Javaよりもオブジェクト指向機能が強化されていて、すべてがオブジェクトとして扱われます。
関数型機能
Scalaは関数型機能も持っています。関数型プログラミングの手法を使うことで変数を使わずに処理を記述できます。
型ライブラリ
Javaに比べて、型(クラス)をより容易に作ることができます。
型推論
型推論機能により、動的言語のように型を省略できます。型の明記もできます。
パターンマッチ
非常に柔軟で高機能なパターンマッチが導入されています。
簡易に記述できる
Javaの1/2程度のコード量で、同様処理の記述が可能とされています。
静的型付けのコンパイル言語
JavaやC++などと同様にコンパイル時にエラーを検出できます。
並列処理
Scalaでは、マルチコアを意識して効率良く並列処理を行うための「Actor」と呼ばれるライブラリを利用できます。
その他ポイント
・既存のクラスを部分的に拡張できる
・Mix-in機能(traitクラスを利用)
・クロージャ機能
・XMLをソースコード中に記述可能
・構文解析「パーサーコンビネータ(英語版)」が標準ライブラリとして提供
・実行速度はJavaと同等
・簡易に扱えるコレクションクラス(List、Map、Arrayなど)が標準搭載
・多重継承と同等の仕組みがある
・ユニットテスト用ライブラリが標準搭載
・オールインワンWebフレームワーク「Liftweb」が存在し、高機能なWebアプリを作成可能
・コンパイルしなくても対話型で実行できる環境(REPL)もある
・1つのファイルに複数のクラスを置ける
同様製品(概要情報)
同様な機能を提供する製品として、次のようなものがあります。
「Java」など。
導入事例
2009年、「Twitter」がバックエンドをRubyからScalaに移行しました。
2011年、イギリスの大手新聞「ガーディアン」は、Webサイトの運用をJavaからScalaに移行しました。
「LinkedIn」「スイス銀行」などでも採用されており、企業の情報システムなどでの採用事例も増えています。
ライセンス情報
Scalaのライセンスは、「BSDライセンス」です。このライセンスに従うことを条件として、ソースコードの改変と公開が許可されています。
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