基本情報
概要
Perl(パール)とは、テキスト処理を得意とするオープンソースプログラミング言語です。実用性、多様性、簡潔な記述、柔軟性、拡張性の高さが特徴で、CGIなどのサーバサイドプログラムも得意としています。
【略称】
「Perl」とは、もともと略語ではなく意味はなかったのですが、後付けで意味が付いています。
「Practical Extraction and Report Language(実用データ取得レポート作成言語)」
「Pathologically Eclectic Rubbish Lister(病的折衷主義のがらくた出力機)」
Perlを深く知ると、この2つの意味を理解できるようになるといわれています。
【経緯】
Larry Wall氏が1987年に最初のバージョンを発表しました。UNIXでの、簡易テキスト処理プログラム、システム管理プログラム用言語として人気を博しました。
徐々に機能拡張され、インターネットが普及し始めると、Webサーバで動的にWebページを作成するCGI(Common Gateway Interface)の開発言語として広く普及しました。
【基本説明】
Perlは、インタプリタ言語であり、コンパイルを必要としません。
テキスト処理が得意で、強力な正規表現を扱える点が特徴です。また、CGIスクリプト、システム管理系も得意なスクリプト言語です。
「軽量プログラミング」と呼ばれていて、プログラマーの負担が軽く、コードの作成/修正を簡単にできます。
基本的な文法や記法はC言語に似ていますが、自由度が高く、記号などを組み合わせた簡潔な記法で処理を記述できます。
数値と文字列の自動変換機能、連想配列、リファレンス(変数などのメモリ上の位置を扱う機能)など、高度な機能を標準で搭載しています。
UNIXやWindowsなど多くのプラットフォーム上で動作します。
【処理系】
Perlは、コンパイルなどの処理が不要な言語であるため、インタプリタ言語として扱われます。しかし、Perlプログラムの実行処理では、実行前に、処理系がPerlソースコードをバイトコードに変換(ランタイムコンパイル)してから、実行されます。
Perlに関する表記法として、プログラミング言語としては「Perl」、処理系としては「perl」と記述します。
主な特徴
【設計思想】
文法の許容度が高く、プログラムの美しさよりも機能性や拡張性を優先する設計思想になっています。
【積極的な開発姿勢】
積極的に新しい機能を取り入れる開発姿勢として知られています。プログラムのモジュール化、オブジェクト指向化などが行われています。
【成熟言語】
Perlは、比較的歴史が古い言語です。そのため、導入事例が数多くあり、開発者の数も多いため、ドキュメント類が豊富にそろっています。利用のしやすさ/安定性という点でも優れています。
【モジュール】
プログラムのモジュール化の仕組みを利用して、世界中のプログラマが、標準にない機能や便利な機能をPerlモジュールとして公開しています。それらの多くは、CPAN(Comprehensive Perl Archive Network)というサイトに蓄積され続けています。
利用者は、数多くのモジュールを利用することができます。
【派生Perl】
Perlには、いくつかの種類があります。主要なものを紹介します。
(1)Perl5
最も普及しているバージョンです。
(2)Perl6
現在の最新バージョンで、2010年にリリースされましたが、Perl5との互換性はありません。
(3)Active Perl
Windows向けのPerlです。
(4)Strawberry Perl
Active Perlに比べて玄人向けといわれています。
【後方互換性】
Perlの利点として、後方互換性が非常に高いという点があります。長年に渡り安心して使えるというメリットがあります。
同様製品(概要情報)
同様な機能を提供する製品として、次のようなものがあります。
「Ruby」、「PHP」など。
導入事例
「Movable Type」などの開発言語としても利用されていて、長年の裏付けもあり、中小規模からエンタープライズ規模まで、さまざまな領域で幅広く利用されています。
ライセンス情報
Perlのライセンスは、「GNU General Public License」と「Artistic License」です。このライセンスに従うことを条件として、ソースコードの改変と公開が許可されています。
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