基本情報
概要
Courier-IMAP(クーリエアイマップ)とは、オープンソースのIMAPメールサーバソフトウェアです。
メールサーバの方式として、従来は、POP3(Post Office Protocol version 3)+SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)という方式が多数を占めていました。POP3でメールを取り出し、SMTPでメールを送信する仕組みです。この方式には、「メールはダウンロードしなければならない」「ダウンロードしたメールは(基本的に)サーバから消えてしまう」「セキュリティが脆弱」などのデメリットがありました。クライアント主導型の方式です。
その後に登場して普及した、IMAP(Internet Message Access Protocol)は、メールサーバにあるメールにアクセスするための方式です。メールはサーバに保存され続けるため、「メールをダウンロードする必要がない」「どこの端末からでもメール操作が行える」というメリットがあります。また、メール検索やフォルダ管理ができます。メールサーバ主導型の方式となります。
Courier-IMAPは、高速で高可用なIMAPメールサーバで、数多くのメールサービスプロバイダが数十万ものメールアカウントを管理するために採用しています。
Courier-IMAPは、オープンソース統合メール環境「Courier-MTA」に同梱されているIMAPサーバと同一のものです。
主な機能
・メール受信機能(POP3/IMAP)
・メール送信機能
・メール保存機能
・アカウント管理機能(個別ユーザー単位/グループ単位)
・使用容量確認機能
主な特徴
【Maildir形式】
メール格納フォーマットの一種で、メッセージ操作時にアプリケーションレベルでファイルロックをする必要がありません。また、メールアカウント単位でディレクトリが作成されるため、1つのメールアカウントデータに障害が発生しても、他のアカウントデータに障害が波及しにくいメリットがあります。
【POP3/IMAPに対応】
POP3にも対応しています。
【暗号化機能】
暗号化通信であるSSLおよびTLSに対応しています。
【バーチャルドメイン】
複数のサーバやドメインで提供していたサービスを1台に集約することができるため、導入コストを削減できます。
【高速性】
高速で効率的にメール操作を行うことができます。
【認証システム】
複数の認証方法を使用することができます。
【コストメリット】
ライセンス費用がかからないため、導入コストを節減することができます。
同様製品(概要情報)
同様な機能を提供する製品として、次のようなものがあります。
商用製品:マイクロソフト「Exchange Server」、「Oracle Collaboration Suite」など。
オープンソース製品:「Sendmail(オープンソース版)」、「Postfix」など。
導入事例
Courier-IMAPは、世界中のさまざまな領域で幅広くメールサーバとして利用されています。
ライセンス情報
Courier-IMAPは、「GPLライセンス(GNU General Public License)」です。このライセンスに従うことを条件として、ソースコードの改変と公開が許可されています。
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