オープンソース活用研究所 | 一回目「基本機能無料のSSO/ID管理クラウドサービス『SKUID』への期待」

一回目「基本機能無料のSSO/ID管理クラウドサービス『SKUID』への期待」

オープンソース活用研究所

2017年07月04日
オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

2017年4月5日、渋谷にあるGMOグローバルサイン株式会社において、「【パートナー募集】基本機能無料のSSO/ID管理クラウドサービス『SKUID』との協業で貴社のビジネスを拡大する」と題したセミナーを開催しました。

本セミナーでは、基本機能無料のSSO/ID管理クラウドサービス「SKUID」を紹介するとともに、「SKUID」やパートナーとの協業プランについて、参加者からご意見をいただきました。

本レポートでは、参加者からいただいたご意見を3回にわたりご紹介します。第1回は、SKUIDのOEM提供に対する要望や、生体認証への対応などに関する議論です。

SKUIDをOEM提供してほしい

ファシリテーター:今回はセミナーにご参加いただきありがとうございます。この時間では、皆様のビジネスを一緒に成長させていくという意味で、SKUIDに対してご意見をいただきたいと思います。まずはSKUIDをどのように使っていきたいかなど、アイデアがあれば教えてください。

参加者A:私は、弊社が提供するある会員サイトにログインする際に、内部でSKUIDの認証強化機能(多要素認証など)を使ってセキュリティを強化しながら、別のサービスに対してもシングルサインオンができるようにしたいと考えています。SKUIDは表には出ないようなイメージでできないかと思って参加しました。

ファシリテーター:OEMで提供し、裏側で動いているような感じでしょうか。

参加者A:そうです。しかし、SKUIDを表に出さないというやり方はGMOさんのビジネスモデルから考えると難しいと思いました。

ファシリテーター: 表面上SKUIDを見せたくないけれど、すでにあるIDでシングルサインオンをしたいというニーズは他社からもお聞きしており、今後のビジョンには入れています。ご意見ありがとうございます。

参加者B: 弊社は、クラウドサービスをお客様に提供しています。これとは別にシングルサインオンなどのサービス提供も検討しています。サービスを拡張していくにあたり、GMOさんなど他社から認証やシングルサインオンのサービスが出ているなかで、そうした共通的なサービスを当社でも提供すべきではないかと考えるようになってきました。

ファシリテーター: どの業種にどのようなサービスを提供されているのでしょうか。

参加者B: スーパーなど流通系の基幹システムで、受発注のEDIなどのサービスを提供しています。今後は、タイムスタンプサービスや旅費精算のような、経費精算システムも追加していく予定です。そのなかでSKUIDをうまく活用できれば良いと思っています。

ファシリテーター: それらのサービスは、現状では別々にIDとパスワードが存在しているのでしょうか。

参加者B: そうです。それを1つにまとめて、先ほどのお話しにもあったようにSKUIDを表に出さない形で実現できたらと良いと思っています。

ファシリテーター: 想定されている形でのシングルサインオンの提供は、SKUIDで実現可能です。無料で利用できますので、まずは是非一度お試しください。

ID、パスワードがなくても生体認証だけで認証したい

ファシリテーター: SKUIDの生体認証はこれから追加していきたいと考えていますが、これに先立ち、皆さんはどのように活用したいとお考えでしょうか。

参加者C: 弊社は生体認証の仕組みを提供しています。SKUIDから我々の持っているサービスAPIを呼び出して連携できれば良いと思います。そうすればSKUIDに生体認証の機能を追加できます。

ファシリテーター: なるほど、ありがとうございます。ぜひ検討をさせていいただきたいと思います。 生体認証について、別の視点で、例えば「ご高齢の方にパスワード入力を行わせず、簡単な操作だけでログインさせたい」というニーズはありますか?

参加者D: お客様からの要望はまだありませんが、社内では認証方式の追加が必要だという話は出ていて、その検討材料に生体認証が入っているという状況です。

参加者E: 私もまだそのような要望は聞いていません。通常のパスワード入力でログインするのも、難しかったり、なじめなかったりするくらいのレベルです。

ファシリテーター: 私は以前、老人ホームを運営されている企業でそのような話を聞きました。入居者の方にシステムにログインしてもらうためにSKUIDが検討されていたのですが、その1組のIDとパスワードも忘れてしまうということで、指紋など生体認証だけで認証する方法があると良いのとのことでした。

参加者E: 今後さらに高齢化していくので、そのようなニーズはあると思います。ビジネス規模としても大きなものになりそうですね。

ファシリテーター: はい。ご利用のお客さまによっても、さまざまなニーズが出てくる事が想定されますので、いろんな要望に対応できる様、皆様のご意見もふまえ引き続き機能開発を進めてまいりたいと思います。

いかがでしたか。次回は、「SKUIDをID管理のマスターや認証強化に使う方法」についてご紹介します。

ご参考

SKUIDのサービスサイト
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過去の関連連載記事

「基本機能無料のSSO/ID管理クラウドサービス『SKUID』との協業で貴社のビジネスを拡大する」
第一回目 基本機能無料のSSO/ID管理クラウドサービス『SKUID』とは
第二回目 認証局ならではの強固なセキュリティを提供する、SSO/ID管理クラウドサービス『SKUID』
第三回目 SSO/ID管理クラウドサービス『SKUID』は、なぜ無料で提供できるのか?

「認証・ID管理の課題と、今後「SKUID」に求められる機能」
第一回目 人事異動への対応やSAML認証への対応
第二回目 SLAや監査への対応
第三回目 利用環境


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著者プロフィール

オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

1993年、株式会社野村総合研究所(NRI)入社。 インフラ系エンジニア、ITアーキテクトとして、証券会社基幹系システム、証券オンライントレードシステム、損保代理店システム、大手流通業基幹系システムなど、大規模システムのアーキテクチャ設計、基盤構築に従事。 2003年、NRI社内に、オープンソースの専門組織の設立を企画、10月に日本初となるオープンソース・ソリューションセンター設立。 2006年、社内ベンチャー制度にて、オープンソース・ワンストップサービス 「OpenStandia(オープンスタンディア)」事業を開始。オープンソースを活用した、企業情報ポータル、情報分析、シングルサインオン、統合ID管理、ドキュメント管理、統合業務システム(ERP)などの事業を次々と展開。 オープンソースビジネス推進協議会(OBCI),OpenAMコンソーシアムなどの業界団体も設立。同会の理事、会長や、NPO法人日本ADempiereの理事などを歴任。 2013年、NRIを退社し、株式会社オープンソース活用研究所を設立。

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