オープンソース活用研究所 | 第二回目「認証局ならではの強固なセキュリティを提供する、SSO/ID管理クラウドサービス『SKUID』」

第二回目「認証局ならではの強固なセキュリティを提供する、SSO/ID管理クラウドサービス『SKUID』」

オープンソース活用研究所

2017年04月25日
オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

2017年3月3日、東京都渋谷区で 「基本機能無料のSSO/ID管理クラウドサービス『SKUID』との協業で貴社のビジネスを拡大する」と題したセミナーが開催されました。

「SKUID」(スクイド)とは、GMOグローバルサイン株式会社が2016年年末にリリースしたSSO/ID管理サービスで、基本機能が無料で使えるという大きな特長をもつクラウドサービスです。

同社では、2017年度下半期から「SKUID」の「パートナープログラム」も開始する予定です。本セミナーでは「SKUID」の基本機能、特長を紹介するだけにとどまらず、「SKUID」のビジネスモデルについても話題が広がりました。クラウドサービス、セキュリティベンダー、クラウド商材のシステムインテグレーターなど、各ジャンルの事業者にとって最適なビジネスモデルについての具体的な解説がなされました。

本稿では、セミナーのダイジェストを3回にわたってレポートします。第二回目の今回は、 「SKUID」のセキュリティレベルとGMOグローバルサイン社の認証に関する考え方についてご紹介します。

多要素が選べる「SKUID」認証強化クラウド

複数の認証メソッドを選べるクラウドサービス

シングルサインオン、アクセスコントロールをはじめID管理における基本機能を無料で提供する、画期的なクラウドサービス「SKUID」のセキュリティについての考え方をご紹介します。

まず、「SKUID」は、種類の異なる要素を組み合わせた多要素認証に対応しています。例えば、要素1はユーザーが持っているもの、要素2はユーザーが知っているもの、要素3はユーザー自身の指紋といった要素を組み合わせて、セキュリティを堅牢にします。

月額有料サービスである「SKUID」の認証強化クラウドは、多要素認証としてトークンやスマホベースのSNS認証など複数の認証メソッドを自由に選ぶことができるサービスです。

従来のオンプレミスのサービスでは固定されたメソッド(要素)しか使えず、新たなメソッドを追加するには別途高額な費用が必要となりますが、「SKUID」ではより運用がしやすい、あるいは使い勝手の良いメソッドを自由に選択することが可能です。

総合認証基盤としての「SKUID」システム構成例

SKUIDのシステム構成例

「SKUID」のシステム構成例をご紹介しましょう。

まず認証強化クラウドを利用して「SKUID」にログオンし、バックエンドにあるパブリッククラウドや社内システムにシングルサインオンします。その際にはSAMLやForm認証を活用します。

またID管理についても、効率的な管理を実現します。例えば人事データベースと認証データベースを連携させたい場合、SI事業者と協業でデータ連携部分を構築することも可能です。

「SKUID」は、日々、増加する社外クラウドサービスと社内Webシステムとの連携を図ることにより、総合認証基盤として活用することができるのです。

認証局基準の堅牢なセキュリティとサポート

GMOグローバルサイン社は、認証局として20年以上の経験を積んでいます。これまで、電子証明書を発行したり、あるいは、失効の依頼を受けた電子証明書や秘密鍵の危殆化の可能性のある証明書を失効させたりという業務を行ってきました。また、認証局には、暗号鍵と発行システムを守るための堅牢なインフラを維持・強化することや、証明書申請者の実在性確認を行う厳格な認証プロセスを確保することが求められています。

同社では、クライアントの機密情報を堅牢に預かってきたという実績をもとに、「SKUID」を開発・提供しているのです。

今後、同社では、SI事業者とともに「SKUID」のエンドユーザーへの導入を支援したいと考えています。また、「SKUID」と連携するSaaSなどを提供するパートナー企業様に対しては、連携APIの提供や認証連携の評価検証の支援をはじめ、万全の体制で充実したサポートを行っていきます。

以上、「SKUID」のセキュリティレベルとGMOグローバルサイン社の認証に関する考え方についてご紹介しました。

次回は、「SSO/ID管理クラウドサービス「SKUID」は、なぜ無料で提供できるのか?」について、ご紹介します。

ご参考

SKUIDのサービスサイト

 

過去の同一連載記事

第一回目「基本機能無料のSSO/ID管理クラウドサービス『SKUID』とは」

 

過去の関連連載記事

「認証・ID管理の課題と、今後「SKUID」に求められる機能」
第一回目 人事異動への対応やSAML認証への対応
第二回目 SLAや監査への対応
第三回目 利用環境


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著者プロフィール

オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

1993年、株式会社野村総合研究所(NRI)入社。 インフラ系エンジニア、ITアーキテクトとして、証券会社基幹系システム、証券オンライントレードシステム、損保代理店システム、大手流通業基幹系システムなど、大規模システムのアーキテクチャ設計、基盤構築に従事。 2003年、NRI社内に、オープンソースの専門組織の設立を企画、10月に日本初となるオープンソース・ソリューションセンター設立。 2006年、社内ベンチャー制度にて、オープンソース・ワンストップサービス 「OpenStandia(オープンスタンディア)」事業を開始。オープンソースを活用した、企業情報ポータル、情報分析、シングルサインオン、統合ID管理、ドキュメント管理、統合業務システム(ERP)などの事業を次々と展開。 オープンソースビジネス推進協議会(OBCI),OpenAMコンソーシアムなどの業界団体も設立。同会の理事、会長や、NPO法人日本ADempiereの理事などを歴任。 2013年、NRIを退社し、株式会社オープンソース活用研究所を設立。

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