SRAOSSセミナーレポート(Hinemos) | クラウド時代の運用管理ツール「Hinemos Ver5.0」最新動向

クラウド時代の運用管理ツール「Hinemos Ver5.0」最新動向

SRAOSSセミナーレポート(Hinemos)

2015年07月08日
SRA OSS, Inc. 日本支社 マーケティング部 OSS技術グループ 主席エンジニア 兼 Sylpheed開発者 山本 博之 (やまもと ひろゆき)

2015 年 2 月 25 日 (水) に、当社主催にて「仮想化、クラウド、運用自動化へ、どのように対応するべきか OSS運用管理ツール(Hinemos、Zabbix)最新動向セミナー 2015春」を開催致しました。 今回は、本イベントにてNTTデータ 基盤システム事業本部 課長 大上 貴充 様にご講演いただいた「クラウド時代の運用管理ツール Hinemos 最新動向」についてご紹介致します。

(著者:SRA OSS山本博之)

Hinemosとは

Hinemos(ヒネモス)は、システム運用管理で要求される「ノード管理」、「状態監視」、「ジョブ制御」、「パフォーマンス管理」など、幅広い機能を備えたオープンソースの統合運用管理ソフトウェアです。

図1 Hinemosとは

ハイブリッドクラウド運用に必要な「見える化」と「自動化」を実現するため、高い信頼性が必要となるエンタープライズ領域でも安心してご活用いただくことができます。 さらに2015年5月には最新バージョン5.0がリリースされ、ますます機能が充実しています。

Hinemosは、多種多様な環境下での一元管理を実現します。

図2 Hinemosで管理可能なプラットフォーム

Red Hat Enterprise Linux、CentOS、Oracle Linux、Windows、Solaris、HP-UX、AIXといった各種OSのサーバだけでなく、VMware ESXi、KVM、XenServer、Hyper-V、Oracle VMなどのハイパーバイザ(仮想化OS)にも対応して監視運用を実現します。 さらに、Amazon Web Services、Cloudn、Microsoft Azureなどメジャーなパブリッククラウドにも対応しています。

監視ソフトとしての基本機能と運用自動化のためのジョブ管理

運用管理ツールの二大機能ともいうべき「監視」と「ジョブ」について、講演では解説がありましたが、本レポートは割愛させて頂きます。 Hinemosの機能については、以下のページをご参考頂ければと思います。
https://www.sraoss.co.jp/prod_serv/hinemos/

クラウド時代の運用管理

Hinemosのクラウド運用についてご紹介します。

図3 Hinemosのクラウドへの取り組み

時流に先駆けた2013年、Hinemosは、「Hinemosクラウド管理オプション」をリリースし、以来、積極的にクラウド運用の仕組みづくりに取り組んできました。 Hinemosとこのオプションを組み合わせることによって、オンプレミス環境、仮想環境、プライベートクラウド、そしてパブリッククラウドを組み合わせたハイブリッドクラウド環境の一元管理を実現しています。

Hinemosの特長は、プロダクトとしてパブリッククラウドの機能を実装しているところにあります。 つまり個別にクラウドサービスが公開しているスクリプトの作りこみをせずに、Hinemosさえ導入すれば、パブリッククラウドを含んだハイブリッドクラウド環境が実現するのです。

2014年に開催された「ITpro EXPO AWARD 2014」では、Hinemosが「マルチクラウド・オーケストレーションツール」として評価をいただき、優秀賞を受賞しています。

図4 マルチクラウド・オーケストレーションツール

「ITpro EXPO AWARD 2014」へ出展した際のデモ環境「マルチクラウド・オーケストレーションツール」とは、クラウド間を連携する機能を用いることで、マルチクラウド環境全体の運用を自動化するものでした。

アマゾンAWS、CloudN、マイクロソフトAzureという各クラウド環境にそれぞれシステムが付随しているという想定で、それぞれのクラウドが結合、連携しながら、ひとつの大きなシステムとなって自動的に運用管理するというデモンストレーションでした。

審査員からは机上の論ではなく、現場での再現性の高い方法でマルチクラウドを実現している点について評価をいただきました。

従来の運用とクラウド上での運用の違い

従来の運用とクラウド上での運用の違いについて、考察します。

従来は、サービス開始から更改時まで、ほぼ構成が変わらないシステムを運用し続けるという前提で、ハードウエアも将来を想定した構築を行いました。 運用管理についても、システム構成が変わらないことを前提に運用フローを設計していました。

図5 クラウド上に構築したシステムの特徴

クラウド上にシステムを構築する場合は、リソースが増減できること、従量課金制であることが最大の特徴になります。 リソースの増減でパフォーマンスがスケールするシステムでは、必要に応じてリソースを購入したほうが経済的になります。 また運用管理も、状態を把握しながら常にシステム構成を最適化できる運用フローが求められるようになりました。

クラウドならではの運用監視

クラウド上にシステムを構築する際の特徴を踏まえて、クラウドならではの運用監視について考えていきます。

図6 クラウドだから「何を」監視するべき? その1

クラウドでの運用は、「クラウドサービスそのものの正常性」 を監視する必要があります。 クラウドサービスそのものを監視することによって、障害発生時に、クラウド側の問題か、システム自体の問題かを切り分けることができます。

図7 クラウドだから「何を」監視するべき? その2

クラウドでの運用は、「クラウドサービスの利用コスト」 を監視する必要があります。

リソースが増減できるクラウドだからこそ、課金情報を把握することで、システムの全体的なコストダウンを図ることができます。 たとえばアマゾンのAWSでは、ビリング情報をAPIから取得できます。 Hinemosであれば、API経由で課金情報を取得することができ、しきい値を超えた場合に通知する設定を行えば、想定外のリソースの使い込みに気づけるようになり、コストの削減が可能です。

図8 応用: 課金配賦

たとえば、ひとつのクラウドサービスのアカウントで複数のサービスを運用する場合、課金はアカウントごとに行われるのが一般的です。この場合、「どのシステムで?」、「どのリソースを使って?」、「どれだけ料金が発生しているのか?」というシステムごとの明細がわかりにくい状況に陥ります。

Hinemosでは、ひとつのアカウント内に複数のシステムが混在している場合でも、システムごとに利用状況と課金情報を色分けしてコスト管理することができます。

図9 クラウドだから「何を」監視するべき? その3

クラウドでの運用は、「操作ログ」 を監視する必要があります。 簡単にリソースを変更できて、環境が柔軟に変えられるクラウドでは、「誰が」「どのような」変更を行ったかという状況を把握することが求められているからです。 予期せぬ操作、不正な操作を監視することで、クラウド運用のキーワードともいえる「セキュリティ」を盤石にします。

クラウドを活かす運用自動化

図10 クラウドのメリットを享受するための自動化 その1

柔軟な改変が可能なクラウドでは、システムの改変と運用管理ツールのなかの管理対象の情報を同期しておく必要があります。 Hinemosでは、アカウント情報を取り込むことで、動的なクラウド上のインスタンス情報を自動的に取得します。これにより、管理情報を常に最新の状態に保ちます。

図11 クラウドのメリットを享受するための自動化 その2

もろちんHinemosでは、作成されたインスタンスに応じて、監視とジョブを全自動で実行できます。

アマゾンのAWSでは、オートスケール機能を活用することで、特定の条件になるとインスタンスが自動的に起動するような設定が行うことができます。 たとえばWebサーバでHTTPレスポンスの監視を行い、APサーバで業務ジョブの実行を行っている場合、オートスケールが発生した時点で新しく追加されたインスタンス情報を取得し、自動的に運用が継続します。

図12 クラウドのメリットを享受するための自動化 その3

さらに攻めの自動化を行うには、リソースのコントロールを行うこともできます。

Hinemosでは、ジョブをスケジューリングすることで、IaaS環境のリソース制御を行うことができます。 監視時間外の不要なインスタンスは停止するといったように、業務特性に応じてシステム構成を制御することで、リソースを節約し、不必要な従量課金を見極めてコストダウンを図ることができます。

図13 クラウドのメリットを享受するための自動化 その4

Hinemosは、障害からの自動復旧も実現します。

HA構成(アクティブ-スタンバイ)という可用性を担保するオプションを組むことで、運用を自動的に継続することが可能になります。 このオプションはオンプレミス側に運用サーバを配置することも、クラウド上に運用サーバを立てることも可能です。 パブリッククラウド環境でも高可用性構成を組むことが可能なHinemosでは、データベースの内容は常に同期され、障害発生時には自動でフェイルオーバーを行います。

図14 Hinemosによるワンストップのクラウド運用

運用管理の「見える化」と「自動化」を実現するHinemosでは、クラウド上でのワンストップによる運用管理を推奨しています。

-サーバリソースの可視化
-サーバリソースの分析、管理
-サーバリソースの自動制御
-サーバシステム単位の課金分析

こういった運用管理にまつわるさまざまなタスクを、Hinemosというひとつのツールで実現することができます。


次のページへ続く

【次ページ】Hinemos 5.0の紹介

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著者プロフィール

SRA OSS, Inc. 日本支社 マーケティング部 OSS技術グループ 主席エンジニア 兼 Sylpheed開発者 山本 博之 (やまもと ひろゆき)

様々なオープンソースソフトウェアのサポート業務に従事。Hinemos は数年前から、 サポートや構築にかかわっている。現在、Hinemos を活用したクラウドサービスを開発中。 Hinemos認定プロフェッショナル保有。 学生時代から開発を継続している「Sylpheed」(シルフィード)というメールクライアントがある。

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