2014年08月15日
マーケティング部 部長 稲葉 香理
2014年6月11日から13日まで幕張メッセで開催された「Interop Tokyo 2014」に、監視システムの Zabbix社 と共同出展で SRA OSS, Inc. 日本支社 が初参加しました。
2014年で21回目を迎える本イベントは、「Interoperability(相互運用性)」をテーマに、インターネットとデジタルメディアの最新機器、技術、サービスが一堂に集まるITの祭典。今回も13万人を超える来場者数が詰めかけ、IT技術やサービスの最新トレンドが飛び交いました。Zabbix 社は、本イベントへの参加は2回目となります。Zabbix 認定パートナー企業 である SRA OSS, Inc. 日本支社 は、PostgreSQL データベース でのビジネス経験を活かして、独自の Zabbix ソリューション を展示しました。
「専門的で、非常に高いレベルの技術やサービスが展示されている印象があります。 新しいテクノロジーを目の当たりにすることができて、発見に満ちたイベントでした」 (SRA OSS, Inc. 日本支社 マーケティング部 部長 稲葉 香理)
「Interop Tokyo では、今回のテーマのひとつである SDN(Software-Defined Networking)に興味を持ちました。これまでハードウエアで組んでいたネットワークが、ソフトウエアで、つまりブログラミングで組めるようになるという技術で、SDN によって、より高度な仕組みが可能になります。最近、お客様からよく問い合わせをいただくテクノロジーでもあり、そういった技術を、今後、Zabbix にも反映させていきたいと思いました」 (SRA OSS, Inc. 日本支社 マーケティング部 技術グループマネージャー 盛 宜陽)
赤い帯に白抜きのロゴが人目をひく Zabbix のブースには、ラトビアから来日した Zabbix社 CEO の Alexei Vladishev氏 も応援にかけつけスピーチを行うなど、ひときわ注目を集めていました。
Interop Tokyo では、例年、ShowNet と呼ばれる、イベント会場のネットワークを参加企業の技術を集結して作るという試みを実施しています。この、ネットワークの世界最大規模のライブデモンストレーションに、2014年度の監視サーバーとして Zabbix が採用されました。PostgreSQL 9.2 をデータベースに、Zabbix 2.2.3 をカスタマイズした監視システムです。
ShowNet用 監視システム構築には、2週間前後の時間をかけて取り組まれました。準備段階では、イベント展示用に作られた最新技術システムとの調整に注力が注がれました。
SRA OSS, Inc. 日本支社 もこの構築に参加し、Zabbix DB となる PostgreSQL の導入とチューニングを行いました。
ShowNet の監視システム規模は、下記のとおりです。
・監視台数:300台前後 ・監視項目:70,000 ・SNMP トラップ処理数:700,000トラップ/日 ・ログ監視処理数:400,000行/日 ・トータル処理数:770データ/分
ShowNet では、ハードウエアのスペックが最新だったこともあり、大規模環境に強い Zabbix + ・PostgreSQL の稼働は快適そのものでした。
本作業に参加した弊社社員のコメントです。「Zabbix バージョン2.2.3 のパフォーマンスの良さを実感することができました。Zabbix 2.2 で、パフォーマンス改善がされているのを認識していたのですが、実システムの監視構築で、それを体感することができました。Zabbix の古いバージョンをお使いでパフォーマンスの懸念があるユーザがいらっしゃったら、ぜひ 2.2 の採用を検討して欲しいです。」
SRA OSS, Inc. 日本支社 は、Zabbix 共同出展ブース内で、Zabbix のソリューション2種を展示しました。
一つ目が、PostgreSQL用 Zabbix 監視モジュール「pg_monz(ピージーモンズ)」。
二つ目が エンタープライズ向けソリューションとしての「快適監視画面」と「可用性の向上」を実現する Zabbix サーバの構成例の展示です。
pg_monz(PostgreSQL monitoring template for Zabbix =ピージーモンズ)とは、Zabbix で PostgreSQL の各種監視を行うためのテンプレートです。
Zabbix のディスカバリ機能により、新しいデータベースやテーブルを自動検出し、監視を自動的にスタートさせることができます。このテンプレートでは、PostgreSQL 内部情報など、DB管理者には欠かせない細かな情報を監視できるのが特徴です。さらに収集されたデータは、Zabbix のグラフ機能で視覚的に表示させることができます。
たとえば24時間365日、止まらないことを要求される基幹業務を遂行するような業種、あるいはデータベースの内部情報を逐次収集する必要があるミッションクリティカルな企業は、このモジュールによって、パワフルなデータベース PostgreSQL の活用が可能になります。
pg_monz で監視できる機能の代表的なものは、次の通りです。
・PostgreSQL サーバーの死活監視 ・PostgreSQL のログ監視 ・データベースサイズの監視 ・バックエンドプロセスの監視 ・チェックポイント実行状況の監視 ・キャッシュヒット率の監視 ・デッドロックの発生状況の監視 ・トランザクション処理状況の監視 ・一時ファイル発生状況の監視 ・滞留バックエンド処理の監視
(図1)PostgreSQL データベースを Zabbix で監視【pg_monz】SRA OSS, Inc. 日本支社 の考える Zabbix のエンタープライズ向けソリューションのポイントの1つに可用性の向上があります。Zabbix システムが停止してしまうと監視が停止、システムの異常を検知できなくなります。そのため、Zabbix サーバの冗長化が必要です。SRA OSS, Inc. 日本支社 は、各種HAクラスタ(LifeKeeper、CLUSTERPRO、Pacemaker)を組み合わせて、Zabbix の冗長構成をとれるようにしています。
(図2)各種HAクラスタと Zabbix の冗長構成次に、エンタープライズ向けの構成の提案として、「快適監視画面」を考えています。Zabbix で監視対象機器が膨大になり、かつさまざまな観点での画面表示を設定すると、運用管理者がみる管理画面の負荷が非常に高くなります。これは、監視データを同時に Zabbix DB に書き込みながら、Zabbix DB に高負荷なクエリを実行させて画面表示するので、Zabbix DB に多大な負荷がかかります。Zabbix システムの負荷が集中するのは、この Zabbix DB ということもあり、この Zabbix DB の負荷軽減案を実現させました。
具体的には、Zabbix DB に PostgreSQL を採用、標準のストリーミングレプリケーションの機能で、Zabbix DB をレプリケーション。監視画面は、pgpool-II という PostgreSQL用 のミドルウェアを通じてアクセスし、書き込みはマスターへ、検索はスレーブへとし、Zabbix DB の負荷をトータルで下げることに成功しました。こちらは、試験展示ですが、今後、エンタープライズでの Zabbix 構成の提案に活用できるソリューションです。
(図3)Zabbixエンタープライズ構成のご提案エンタープライズ向けの構成は、徐々にお客様のニーズも増えてきています。今回の展示を機に、採用される機会が増えていけばと考えています。
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Chef(シェフ)とは構成管理(プロビジョニング)ツールです。インフラ環境構築を簡単に行うための各種機能が搭載されており、「ユーザー作成」「パッケージインストール」「設定ファイル編集」「システム各種設定」などの展開作業を自動化できます。「物理環境」「仮想環境」「クラウド環境」などの各種インフラ環境をサポートしています。
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SEC(Simple Event Correlator)とは、高度なイベント処理のためのイベント相関ツールです。「イベントログ監視」「ネットワーク監視」「セキュリティ監視」「不正検出」「イベント相関を含むその他のタスク」などに利用できます。単一プロセスとして実行され、プラットフォームに依存しない軽量ツールとして利用できます。
Embulk(エンバルク)とは、プラグ可能なマルチソースバルクデータローダーです。バルク処理に特化したプラグインベースのデータローダーで、大規模データセットのバルク転送を実施します。「データベース」「DWH」「NoSQL」「ファイル形式」「クラウドデータストア」などのデータ転送を強力にサポートします。
Apache ZooKeeper(アパッチズーキーパー)とは、分散環境運用サポートサービスを提供するコーディネーションエンジンです。各ノード(システム全体)を集中保守管理するための機能を提供します。「設定管理」「名前解決」「同期」「グループサービス」などの利用頻度の高いさまざまなサービスが用意されています。
Graphite(グラファイト)とは、高度にスケーラブルなエンタープライズ対応監視ツールで、リアルタイムグラフを作成できます。「Webサイト」「アプリケーション」「ビジネスサービス」「ネットワークサーバ」などのパフォーマンスを追跡し、時系列データの「保存」「取得」「共有」「視覚化」が可能です。
Zabbix(ザビックス)とは、オープンソースの統合監視ツールです。統合監視ツールとして必要な機能を網羅的に搭載しており、「サーバ」「ネットワーク」「アプリケーション」などを高度に集中監視し、「障害検知」「アラート通知」「パフォーマンス可視化」などを行えます。システム全体を1つのZabbixで監視できます。
Puppet(パペット)とは、オープンソースの構成管理ツールです。「パッケージインストール」「サーバ構成更新」「ユーザー追加」などインフラストラクチャの管理を自動化するツールを提供します。「Linux」「UNIX」「Windows」をサポートし、システムの自動管理エンジンとして一元化された仕様に基づいて管理タスクを実行します。
NUT(ナット)とは、電源デバイスを監視するために設計されたソフトウェアコンポーネントスイートです。「無停電電源装置」「配電ユニット」「ソーラーコントローラー」「サーバ電源ユニット」などの多くのブランドとモデルをサポートし、ネットワークプロトコルと標準化されたインターフェースを介して管理できます。
Graylog(グレイログ)とは、オープンソースのログ管理プラットフォームです。オープンスタンダードに基づいてさまざまなデータソースからデータを収集し、1つの中央ロケーションからデータ管理を行えます。セキュリティとコンプライアンスに関するニーズに対応できる包括的なログ管理ソリューションを構築できます。
Nagios(ナギオス)は統合監視フレームワークです。「サーバ」「ネットワーク」「リソース」「サービス」などの稼働状況を監視し異常時に通知を行います。Nagios本体は主に「プラグインのスケジューリング」「チェック結果保存」「チェック結果通知」「Webインターフェース提供」などを行い、実際の監視は各プラグインが実施する構造になっています。
Prometheus(プロメテウス)とは、システム監視および警告ツールキットです。柔軟なクエリとリアルタイムアラートを備えたHTTPプルモデルを使用して構築された時系列データベースにリアルタイムメトリックを記録します。時系列データに基づいたアクティブな「スクレイピング」「保存」「クエリ」「グラフ化」「アラート」を含む完全な監視および傾向分析機能を提供します。
Ansible(アンシブル)とは構成管理ツールです。多数の構築管理対象に対するアプリケーションとシステムの導入を容易にするシンプルなIT環境構築自動化プラットフォームです。「設定ファイルがシンプル」「使いやすい」「管理対象サーバへのエージェントソフトウェアインストール不要」など、最小限の手間で各種設定を自動化できる特徴があります。
Fluentd(フルエントディー)とは、データコレクタ(ログデータ収集管理ツール)として、ログデータを収集しJSONに変換して出力する機能を提供します。「入力機能」や「出力機能」などはモジュール化されており、プラグインモジュールを追加することで、さまざまなデータソースや出力先に対応できます。
Grafana(グラファナ)とは、オープンソースのデータ時系列分析用ダッシュボードツールです。インフラやアプリケーションなどのさまざまなデータソースにアクセスして各種メトリクス情報を収集し、時系列データとして可視化できます。リッチなグラフ描画によって一目見ただけでリアルタイムにステータスを把握できます。
OTRS(オーティーアールエス)とは、「ヘルプデスク機能」+「ITIL対応運用管理機能」を備えるオープンソースの高機能チケット管理ソリューションです。会社や団体や組織などが「顧客から受け取った個々の問い合わせやクレーム」や「それに関連する対応履歴や各種事象など」を「チケット」と呼ばれる単位でまとめて効率的に管理できます。
Logstash(ログスタッシュ)とは、Elastic社が提供するログ収集管理ツールです。サーバサイドデータ処理パイプラインとして、さまざまなデータソースからログを収集し、1つのサーバに集約する機能を提供します。多様なプラグインを使用して、どのようなタイプのイベント(ログ)にも対応できます。
Kubernetes(クーベルネイテス)とは、クラウドネイティブコンピューティング基盤のためのDockerコンテナ群管理フレームワークです。Dockerコンテナ群に対する各種管理機能を提供することで、アプリケーションコンテナを論理的な単位にグループ化し、管理性を向上させます。
FOG Project(フォグプロジェクト)とはオープンソースのコンピュータイメージングソリューションです。「OSイメージング(クローニング)機能」および「ネットワーク管理機能」を備えています。「Windows」「Mac OSX」「各種Linuxディストリビューション」などのデスクトップOSをサポートしています。
Juju(ジュジュ)とは、アプリケーションモデリングによるデプロイツールです。パブリック(プライベート)クラウドおよびローカルコンテナに対して効率的な展開/構成/拡張/操作を行えます。
Beats(ビーツ)とは、オープンソースデータ収集/転送プラットフォームです。Elastic社のプロダクト群で、サーバからあらゆる種類のオペレーショナルデータを収集して、Elasticsearch/Logstashなどに情報を転送します。
Xymon(シモン/サイモン)とは、ネットワーク監視ツールです。サーバ/アプリケーション/ネットワークなどについてグラフィカルインターフェースでの監視を行えます。
Apache Maven(アパッチ メイヴン)とは、Java用プロジェクト管理ツールです。不明瞭なソフトウェア開発プロジェクトをモデル化して、開発効率を高めます。
Draft(ドラフト)とは、「Docker」コンテナデプロイサポートツールです。Microsoftが提供しています。「Kubernetes」クラスタ上へのデプロイと継続的インテグレーション機能を提供します。
Consul(コンサル/コンスル)とは、クライアントサーバ型のクラスタ管理ツールです。同様ツール「Serf」よりも汎用的で、サービス検出(ヘルスチェック)用途などにも活用できます。
Packer(パッカー)とは、マシンイメージの自動生成/管理を行なうコマンドラインツールです。マシンイメージ作成に関するさまざまな問題を解決するためのサポートを行います。
Vagrant(ベイグラント)とは、仮想環境構築/共有ツールです。仮想化ツール(VirtualBoxなど)のフロントエンドラッパーとして機能し、数行のコマンドのみで簡単に仮想化環境を構築できます。
Itamae(イタマエ)とは、サーバ管理を自動化する構成管理ツールです。「Chef」ライクなRuby DSLで記述するツールで、必要最低限の機能のみを揃えており、非常にシンプルに使用できます。
CDIR Collector(シーディーアイアールコレクター)。セキュリティインシデント初動対応時の適切なデータ保全をサポートするツールです。調査対象端末汚染を最小限に抑えながら安全にデータを収集します。
Apache Ant(アパッチ アント)。ビルドツールです。複雑なコンパイル作業を自動化します。「XML記述」「Javaベースであるためプラットフォームに依存しない」などの特徴があります。
Pandora FMS(パンドラエフエムエス)。オープンソースの高機能統合監視ツールです。ネットワーク/コンピュータシステム/アプリケーション稼働状況などの監視を行います。
Hatohol(ハトホル)。システム全体を一元的に監視する統合運用管理ツールです。複数の運用管理ツール(Zabbix、Nagiosなど)のハブとして統合的に機能します。
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