CLOSE UPコラム - 屋代 和将 - | 国産オープンソース・ソフトウェアMosP勤怠管理・人事給与を利用するメリットは?

国産オープンソース・ソフトウェアMosP勤怠管理・人事給与を利用するメリットは?

CLOSE UPコラム - 屋代 和将 -

2013年08月09日
株式会社マインド 取締役 屋代 和将

オープンソースの勤怠管理・人事給与システムがあることをご存知でしょうか。
MosPは中堅中小企業向けの国産オープンソース勤怠管理・人事給与システムです。日本国内で日本の業務に合わせて開発しています。

勤怠管理・人事給与というバックオフィス系の業務アプリケーションはとても複雑で、導入するのも一苦労というのがユーザの本音ではないでしょうか。

そのようなシステムですから、手書きや表計算ソフトなどを利用しているという企業の話も良く耳にします。
とはいえ、

・手書きでは手間ばかり増え、ミスが多くなってしまう。
・表計算ソフトは社員にマクロを組んでもらったが、その社員がいなくなってしまって。

など、不都合も多いかと思います。

導入時は多少苦労もありますが、導入後運用が回ればとても効果が現れるのも、バックオフィス系業務アプリケーションの特徴でもあります。そこで中小企業が勤怠管理システムを導入する際の検討事項を考えてみます。

1.自社の業務に合うか?

勤怠管理システムは業種、職種によって管理方法が変わってきます。 飲食業であればシフト管理や容易なスケジュール変更などが必要になるし、営業が多ければ外出先からの勤務報告などが重要になるでしょう。まずは自社の業務に合うかどうかの検討が必要になります。

2.金額は予算内か?

それなりに自社の業務に合うシステムが見つかった場合、次に考えるのがそのシステムを導入した際の費用になります。サーバーの費用やライセンス料、保守料などとっても心配なのが金額ですね。 全く予算に合わない場合は、いくら自社の業務に合うシステムでも検討対象外になってしまいます。

3.末永く利用していけるか?

自社の業務にも合う、金額も予算内、その後考えるのが、このシステムは今後も末永く利用し続けていけるのか?という点になります。数年経ったらサポートが切れて、メーカー保守がなくなってしまったなんてことも多々あります。
末永く利用できるかどうかは、先々を見るととても大きな出費の差になってきます。

このような検討事項で、数点の候補に絞られます。

1.パッケージを購入する

一般的な方法で、勤怠管理システムのパッケージを購入するという方法です。
サーバー、ソフトウェアライセンス、導入、教育、保守費用などを支払い、メーカーが定める利用規約に従い使用する形態です。汎用的に制作されているケースが多いため、カスタマイズなどを行わず、パッケージそのままで自社の業務に合う企業には向いていると考えます。

2.SaaSを使用する

インターネット越しにソフトウェアを使用するサービスで、パッケージと同様カスタマイズをせずに使用するケースが多いです。
サーバー費用などもすべて月額利用料に含まれており、SaaS提供企業がやめない限り、アップデートやサーバー管理などもあまり考える必要がなく、サーバー管理者などがいない企業には使用しやすい形態です。

3.オープンソースを利用する

最近では業務アプリケーションにもオープンソースを利用するケースが増えています。ライセンス費用が不要でカスタマイズが自由に行えます。「サポート会社に委託する」「自社で保守する」「SaaSで利用する」など利用方法も自由に決めることができます。

上記、それぞれメリット・デメリットがありますが、ここではオープンソースの業務アプリケーションを利用する場合のメリットを深堀りしてみたいと思います。

1.十分試した上で検討ができる

これはユーザにとって、とてもメリットが大きいところです。
特に業務アプリケーションでは、数回のデモを見ただけで導入を決定するケースや、利用する前からカスタマイズの構想が膨らみすぎて、利用し始める時には莫大な費用がかかるケースが数多くあります。
まず、第一に数人で利用して自社の業務に合うのか検討してみるのが一番だと思います。
環境を準備するのにも手間がかかるので、MosPでは気軽に試していただけるような「無料クラウド勤怠管理MosPii」を提供して、簡単に心ゆくまで使っていただけるような環境も用意しています。是非機能などを理解した上で検討に入ってください。

2.安価(ライセンス費用無料)で導入できる

一番気になるところですね。 1で説明したように本格導入する前にシステムを使用することができるのがオープンソースの良いところです。
オープンソースの場合、ライセンス費用がかからないので、人件費や一部の導入費用のみで検証を行うことができます。 実際に利用してみて、「自社の業務に合うのか合わないのか」「合わないのなら業務を合わせるのか、カスタマイズを行うのか」など実務に沿った検証や検討を行うことで、業務アプリケーションの導入に失敗する可能性を大幅に減らせるのです。
ライセンスを購入した上で、カスタマイズを行い、失敗するようなケースは絶対に避けたいですね。

3.ベンダーロックインをされない(プログラムのソースコードを手に入れることができる)

ソースコードを手に入れることを重要視するユーザと重要視しないユーザがいますが、無いよりかは有ったほうが良いのは間違いないでしょう。
例えば、「メーカー保守が切れてしまって、ソフトウェアを購入し直さなければならなくなった」というようなことはありませんか? また、「高いライセンスを出して買ったのにメーカーが倒産してしまい、保守ができなくなってしまった」なども少なからず聞いたことがあるかと思います。 オープンソースでソースが手元にあれば、利用し続けられる可能性があります。
オープンソースとして普及していれば、コミュニティorメーカー以外が保守やサポートを提供している場合があります。 これはとても大きな競争効果が発揮されます。
一社で独占的にサポートを行なっていれば、そのサポートのいいなりにならざるを得ませんが、複数社がサポートしていれば、当然良いサポートを提供している企業に注目があつまり、さらによいサポートを目指す企業が出てくることになります。
また、「カスタマイズをお願いしたらとても高い見積が出てきた」 といった場合でも、オープンソースでソースが手元にあれば、他社に見積もりを依頼することも可能です。
このような競争効果はユーザにとってメリットが大きいものになると確信しています。取り扱う企業が増えることは末永く利用できるというメリットにもつながってきます。

ではこのオープンソースの業務アプリケーションをどのように利用するのが良いでしょうか。

私が一番メリットを感じる利用方法は、オープンソースのSaaS利用です。

通常SaaS利用をしているソフトウェアが手に入ることは考えづらいですが、オープンソースのSaaSであれば、ソフトウェアも手に入れることができます。

MosPでもSaaS提供をしていますが、自社環境からSaaSへ、SaaSから自社環境への移行なども可能です。そうすると通常はSaaS利用をしておいて、万が一の時には社内の環境にデータを移しイントラで利用することも可能になり、災害対策などの時にも大変有効な手段になります。

また、企業の発展によるシステム環境の変化も考えていかなくてはいけません。
社員数が増加することにより、システムごと変更しなくてはならないなど、慣れ親しんだシステムを変更して一から覚えるのは大変です。ソースコードが手元にあると、いつでも機能追加、機能変更を行うことができ、企業の変化にも対応しやすくなります。

今後もシステムを取り巻く環境はまだまだ変化を続けていくことになるでしょうから、利用方法の変化はもちろん、業務の変化にも対応できることを考えておかなければなりません。

そんな時、いろいろなメリットがあるオープンソースを一つの選択肢にすることで、「自社に合う」「予算内の」「末永く利用できる」システムが見つかるかもしれませんね。


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著者プロフィール

株式会社マインド 取締役 屋代 和将

ユーザーのIT投資適正化を使命とし、オープンソースを利用した中堅中小企業ソフトハウスの質の高いITサービスをユーザーに届けるべく、オープンソースのビジネスモデルを模索する毎日。 2003年株式会社マインドに入社しオープンソースに出会う。同社の自社システムをオープンソース化する企画を立案し、業務アプリケーションオー プンソースプロジェクトMosP(MindOpenSourceProject)を立ち上げる。 株式会社マインド取締役。OSSコンソーシアム事務局長、オープンソースライセンス研究所理事を努め日々オープンソースと向き合う。

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